マモノ紹介 第10章時点
今回のマモノたちは、全て【巫女派】のマモノである。
■通常のマモノ
〇ブルホーン
大型の牛のマモノ。赤とオレンジが混じったような体毛を持つ。
特別な能力等は無く、主な攻撃方法は、その巨体を活かした体当たりのみ。
とはいえ、その体当たり攻撃の威力が凄まじいもので、自動車の衝突さながらの威力を叩き出す。
牛ではあるが、他のマモノのご多分に漏れず、肉はマズい。
〇アイスリッパー
氷の鎌を持った、小型のカマキリのマモノ。『星の牙』コールドサイスの幼体。
小型とは言うが、それは人間の体躯を基準としたもので、普通のカマキリと比べると異常な大きさである。小型犬くらいか。
鎌が丈夫な氷で形勢されており、これで切り裂かれた相手は、痛みと冷たさを同時に受けることになる。
〇ガチュラ
アメリカに生息する大型の蟻、パラポネラがマモノと化したもの。その身体は普通自動車などよりもうひとまわり巨大。
ギロチンのような大顎を有しており、これで敵を真っ二つにする。
パワーも相当なもので、先述の大顎も手伝い、コンクリートの壁くらいなら容易にぶち破ってくる。
通常のパラポネラは尻に毒針を持っているが、このガチュラはマモノになる過程で、毒針が退化してしまったようだ。
〇シャコライカー
モンハナシャコのマモノ。自動車くらいの大きさを持つ。
腕や脚を巧みに利用したフットワーク、動体視力に優れる眼、一撃が極めて速く、そして重いシャコパンチなど、大型のマモノの中ではトップクラスの俊敏性を持つ、マモノ界のハードパンチャー。
マモノとしての多くの特性は、元であるモンハナシャコに準じており、眼を潰されると途端に戦意を喪失する。
〇クォールド
焦げ茶色の羽毛を持つ、コンドル型のマモノ。
翼を目いっぱいに広げた時の大きさは、ちょうど成人男性が両腕を水平に広げたくらい。
鋭い嘴を持ち、空を飛ぶマモノの中でも上位に入る飛行速度を有している。
性格も獰猛で、上空から一気に急降下して獲物の急所を射抜く空のハンター。
〇ステルスシザー
灰色の甲殻を持つ、クワガタのマモノ。
以前、十字市に現れたブラッドシザーと酷似した姿を持ち、同種の亜種と思われる。
衛星レーダーの電波を跳ね返す甲殻を持ち、さらに光学迷彩を身に纏うように透明になることができる。
顎の巨大さも健在で、隠密性と攻撃力に秀でた厄介なマモノである。
〇パラサイト
小型の蜘蛛のマモノ。
人間に張り付き、脳をはじめとする神経系を乗っ取ることで、人間を自在に操る能力を持つ。
その際に、操っている人間の記憶もある程度参照できるようで、その人間の知識や戦闘能力をそのまま発揮することができる。
人間以外の動物や植物を操れるかは、現在のところ不明である。
〇ケミカルヤドカリ
紫の甲殻を持つ、ヤドカリ型のマモノ。ヘイタイヤドカリの亜種と思われる。
ヘイタイヤドカリは爆裂する砲弾を発射するが、こちらは毒ガスをまき散らす砲弾を発射する。
この毒ガスはマモノ毒……M-ポイズンであり、吸い込むと内臓を傷付ける。
毒ガス弾が直撃しても、毒ガスをまき散らすだけで直接的な攻撃力はないが、この毒ガスで道を塞がれる場合などもあり、状況によってはヘイタイヤドカリ以上に厄介な相手となる。
〇マーダーネイル
黒い体毛を持つ、ナマケモノ型のマモノ。身長は160センチくらい。
ナマケモノなのに、全く怠けない。
二足歩行で地上を徘徊し、両腕の鋭い長爪で敵を切り裂く。
性格も極めて凶暴で、得物と見れば襲い掛かってくる。危険度の高いマモノである。
■星の牙
●コールドサイス
蒼白い甲殻を持つ、巨大なカマキリのマモノ。
”吹雪”と”濃霧”の二重牙と思われる、が……。
特別な血筋を持つマモノ『霊獣』であり、星の力をある程度自由にコントロールすることができる。
このコールドサイスは、大昔にとある宗教で神の化身として崇められていたカマキリ、その末裔にあたる。
両腕の鎌は、自身の能力による氷で作られており、空気中の塵やホコリが混ぜられており、非常に頑丈。鎌が破損しても、新しい鎌を作ることができる。
さらに巨大な鎌を形成して攻撃に用いる『大鎌モード』も備えており、その大鎌の威力は普通自動車を真っ二つにしてしまうほど。
ヘヴンの特命を受け、ニューヨークにて四度にわたって日向を襲撃したが、その全てを退けられ、最後はオリガに洗脳され、テロ組織『赤い稲妻』へと引き渡された。どうやらまだ生きているようだが、果たして今後の出番は如何に。
●ユニコーン
ドリル上の一角を持つ、馬のマモノ。
”水害”の星の牙で、蹄から水を発生させることができる。
発生させた水は、飲み水として活用できるほどに清潔。また、濁った水から不純物を取り除いて、綺麗な水に戻すこともできる。
一見すると戦闘向きではない能力に見えるが、蹄から水流をジェットのように噴射させて、ユニコーン自身を矢のようにして体当たりを仕掛ける攻撃を持っている。よって、ユニコーン自身の戦闘力は高い。
地下鉄の入り口にてオリガに洗脳され、しばらくは彼女の手駒として動いていたが、マグロッグに呑み込まれて死亡した。
●マグロッグ
ワゴン車ほどの体躯を誇る、巨大な赤いカエルのマモノ。
”溶岩”の星の牙で、灼熱の体液を身体に纏っている。
体内の胃液や唾液などもマグマのごとき高熱を持っており、これらの体液をばら撒くことで敵対者に攻撃を仕掛ける。
長い舌に灼熱の唾液を付着させ、相手を打ち据える攻撃も持つ。
舌はかなり複雑に動かすことができ、ジグザグに動かして敵のガードを掻い潜るといった芸当も可能。しかし同時に、この舌こそがマグロッグの最大の弱点である。
力尽きる寸前になると、自爆して敵を道づれにしようとしてくる。大きく息を吸い込むのが自爆の予備動作。
その爆破範囲は半径50メートルほどもあり、オマケに自爆準備の状態でもマグロッグ自身はある程度動くことができるので、追ってくる。マトモな走力で逃げ切るのは困難である。
●サテラレイン
非常に巨大なシオマネキ型のマモノ。右爪が肥大化している。
”大雨”の星の牙。狙ったポイントに、天から水のレーザーを振らせる能力を持つ。
甲殻は恐ろしいまでに頑丈で、対物ライフルの弾丸でさえ貫通できないほど。その防御力と、巨体を支える圧倒的なタフネスにより、生命力はマモノの中でもトップクラス。弱点は口内。
水のレーザーは出力を調整可能で、広い範囲を一気に攻撃したり、レーザーを細くして貫通力と照射速度を上げたりすることができる。
脚に鋭敏な鼓膜器官があり、これで遠くの物音を捉えることができる。サテラレインの超遠距離向きな能力にマッチした、侮れない特性である。作中でソニックブンブンゼミの鳴き声を聞き取ったのも、この器官によるもの。
能力を用いてアメリカのヘリを次々に撃ち落としたが、最終的に日向たちに追い詰められ、崩壊した建設中ビルに埋もれて絶命した。
●フラップル
紫と黄土色の迷彩模様の体色をした、巨大なカメレオンのマモノ。
”生命”の星の牙で、自分自身の身体にあらゆる特性を付加し、身体の形状を変化させる『肉体改造』の能力を持つ。
コールドサイスと同じ『霊獣』であり、このフラップルは中東の悪竜の血を引いていると言われている。その遺伝子を利用して、身体全体を竜のように変化させることができるとはフラップル本人の言。
狡猾で残忍な性格をしているが、星の巫女ことエヴァ・アンダーソンへの忠誠心は極めて高い。その慕い方は、もはや恋をしているといっても過言では無いほど。
ヘヴンから北園良乃抹殺の特命を受け、行動を開始。
共に戦ってくれる協力者のマモノを探し、絶好の狩場を用意し、人質を使って標的をおびき出し、毒で敵をじわじわと弱らせるなど、用意周到で慎重な性質を持つ。
だが一方で調子に乗りやすい一面もあり、自分の策は絶対に上手くいくと信じて疑わない節がある。そのため、北園たちに食堂を脱出された後は、なし崩し的に一気に切り返されてしまった。
最後は自身の能力を逆に利用され、ジャックにトドメを刺された。
しかし、死の間際までエヴァのために動き、彼女の勝利に貢献しようとした。
●ケルビンパラサイト
人に寄生するマモノのパラサイトが、アメリカのマモノ討伐チームのメンバーであるケルビン・トリシュマンの死体を操っていた状態。さらにフラップルによって多量の星の力を与えらえた結果、『星の牙』として覚醒した。能力は”雷”。
パラサイトの『寄生した人間の記憶を参照する能力』により、生前のケルビンと寸分違わぬ戦闘能力を発揮できる。銃器の扱いはもちろん、体さばきも鋭く、精鋭軍人の手強さを見せつけられる。
『星の牙』となってからは、背中のパラサイトが巨大化し、何倍にも長大化した前脚で敵を切り裂く。脚の刃は『星の牙』としての異能によって、電熱を帯びさせることができる。
本体はあくまでケルビンの背中の上のパラサイトであり、ケルビンを攻撃してもパラサイトは倒せない。腕や脚を破壊することで動きを封じることはできるだろうが。
最後は北園によってケルビンもパラサイトも炎で焼かれ、絶命した。
●アスラコング
ユグドマルクトを防衛するために立ちはだかった『星の牙』のうちの一体。”嵐”の能力を持つ。
左右三本ずつ、計六本の腕を持つゴリラのマモノで、それぞれの拳に風や雷のエネルギーを纏わせ、敵に殴りかかる。風の拳は真空波による切れ味を伴い、雷の拳は電子制御された兵器をショートさせる。
小規模ながらも、雷雨を伴う嵐を巻き起こすこともできるが、本編では使用されなかった。
ユグドマルクトを守るために、マードックや日影、日向とも交戦したが、日向によってイグニッション状態の『太陽の牙』で足を切断された。
本編ではその後の結末は描かれなかったが、マードックと日影によって討伐された。
●ユグドマルクト
ニューヨーク中を混乱に陥れた、天を衝くほどに巨大な樹のマモノ。
”生命”の星の牙。
元は種の状態だったが、エヴァの力によって急速に進化、成長させられた。
自身の身体を水晶のように変化させる能力を持つ。これは光合成によって取り入れた二酸化炭素を、酸素と炭素に分解し、その分解した炭素の結合を変化させることで発動する。
その防御力は極めて高く、ミサイルの直撃を受けても傷一つ付かない。日向のイグニッション状態の『太陽の牙』でようやく対抗できるほど。
また、自身に触れた者に能力を発動させ、水晶化させてしまうこともできる。水晶化した者は、全身を固められても生命活動は維持できるが、身体は全く動かせなくなる。RPGで言えば石化状態か。
ニューヨークに緑の瘴気を放ち、街を緑化し、人々を半人半獣の姿に変えた。これはニューヨークを自然に還し、人々に野生への帰順を促そうとしたためである。
動物化を長時間放置すると、混ざった動物の本能がゆっくりと、元の人間としての自制力を喰らい、最後は獣の心に成り果てる……といった設定があったが、本編では使用されなかった。
予知夢の五人、ARMOURED、ロシアのエージェントコンビの連合軍を、無数のマモノを従えて迎え撃ったが、最後は日向の”紅炎奔流”を受けて焼却された。




