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滅亡国家のラグナテア ~リアルがゲームに入れ替ったけどデータ引き継ぎで現代無双~  作者: 萩鵜アキ


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第80話 エピローグ

 魔王を討伐した後、いろいろ大変だった。

 次元層が消えるまでに、乗り込んできた【払暁の光剣】に間違って討たれそうになるわ(一条パパが止めなきゃ確実に戦闘になってたぞあれ)、ハンター協会から事情聴取を受けるわ、マスコミからの取材依頼が殺到するわ、マジでてんやわんやだった……。

 ってか最近大変なことしかねぇな。


 かねてからの目標だった魔王討伐が出来た――っていってもまだ一種だが、これは良かった。


 日本で久しぶりの魔王種出現ってことで、巷が一気に騒がしくなった。これもまあわかる。


 でも俺は、誰にも何にも邪魔されずに深淵を攻略したい。

 はっきりいっていまの状況は、やりたいこと以外のものが次々舞い込んで鬱陶しすぎる。


 あまりに鬱陶しかったんで、雑務は全部安達にぶんなげた。


「どうしてッ!?」

「だって、クランを立ち上げる時、そう言ってたろ?」

「そうだけど……」

「ってわけで宜しく!」


 かなり強引だが、これも今後のクランのためだ。


「ここで対応力が付かないと、のちのちエライことになるぞ」

「そうかな?」

「出て来た魔王は全部頂くつもりだからな」

「あー、そうだね。たしかに白河くんなら、全部平らげそうだよね、ハハハ」


 安達ががくっと肩を落とした。

 どうやら観念してくれたらしい。


 今回一回だけなら、イレギュラーとして頑張って対応すりゃいい。

 だが今後もあると話は変わってくる。

 この程度は楽に裁けるくらい、事務処理能力を上げなきゃいけないからな。


「白河くん、相談なんだけどさ」

「なんだ?」

「事務員を増やしていい?」

「うーん」

「この量の業務を一人で裁くのは物理的に不可能だよ」


 たしかに。安達のパソコンや携帯デバイスには今、問い合わせがどしどし押し寄せてる。

 書類作成と問い合わせの対応、それにオークション。すべてを平行処理するのは、さすがの安達でも無理か。


「下手な人員はかえって邪魔だし、スパイが入り込む可能性もある」

「そうだね」

「もしかして、当てはあるのか?」

「うん。一人だけ、気になった人がいるんだ」


 気になった人……。


「どんな奴だ?」

「テストの成績は優秀で、もともとぼくと同じ事務要員希望の人」

「んー、学生か」

「うん。他のクランとの繋がりもないし、家柄もいい。問題は性格だけど……そこはどうにかなると思う」

「ふぅん。女子?」

「うん、女子」

「もしかして、安達が好きな人だったり?」

「ははは、それはないよ」


 声は笑ってるけど目が笑ってない。

 完全に脈なしだなこりゃ。


「ま、安達がいいならいいぞ」

「ありがとう。それじゃあ、手続きを進めるね」


 そんなこんなで、【ラグナテア】に事務員が一人増えることになった。

 俺は完全に攻略専門。その他の雑事は安達ら事務が担当する。

 これがきちんと機能すれば、余計なことを考えずに深淵攻略だけに専念出来る。


 それに何日も事情聴取を受ける必要も……ああ、それは、受けなきゃだめか。当事者だもんな……くそっ。




『ぐふふ……』


 クランハウスの自室に入ると、寒気のする笑い声が聞こえた。

 笑っているのは、またうっかり捕らえた魔王、ネクロ・タルヴァスだ。


 シャドウといい、ネクロといい、なんでこうゲームとは違う動きをするのやら。

 ゲームだったら最強格の魔王が次々と仲間になる展開はアツいんだけどな……。


 ネクロはゲームから持ち越したドロップアイテムに吸収された。

 咎人の十字架が二頭身のネクロになったのだ。


 魔力を込めれば頭身が変わるし、強くもなる。

 だが正直この魔王、下手に魔力を込めるのは気が引ける。


 服装がきわどいし、童顔だし。少し魔力を込めたら十歳くらいの姿になっちゃって、めちゃくちゃ罪悪感が半端なかった。

 この姿で街中を一緒に歩いてたら絶対捕まる。


 使う時は、なるべく思い切り力を入れようと心に誓った。


 さておき、ネクロが笑ってるのは、俺のパソコンを使って閲覧しているモノのせいだ。


 簡単に表現するなら『男と男が裸で絡み合う薄い本(電子)』。

 カーソルを押して次のページが表示。

 おっふ。言葉には出来ないおぞましいシーンに、目を背ける。


『愚腐ッ!』


 ……こいつ、腐ってやがる。

 誰だよこいつにBLを教えやがったのはッ!


 なんか人間界に興味あるとか、暇だからなんて言われてパソコンを使わせてみたらコレだ!


『フシュー! フシュー!』


 くそっ!

 こいつにパソコンになんて触らせるんじゃなかった!


『人間、すごい。天才。神は、二次元にいた……!』

「おいネクロ。それ、俺のパソコンなんだが?」

『うん、借りてる』

「借りてる、じゃねぇよッ! 誰かに閲覧経歴見られたらどうすんだよッ!!」

「……がんば」


 この調子だ。

 基本声の温度が一定でボーカロイドみたいなんだが、薄い本に対する熱量はヤバイ。


『読み……終わった。終わって、しまった。はよっ! 続き、はよっ!!』


 バンバン。

 おいこらキーボードを叩くな。


 部屋の隅で腕を組んでいた二頭身シャドウが、我慢出来なくなったかネクロに近づいた。


『不死の魔王も、落ちぶれたものであるな』

『……む?』

『不死者など、所詮はこの程度。我が輩のような吸血種とは、尊さが違うのであるッ!』

『ふっ。シャドウは、何も知らない。真なる尊さが存在するのは、薄い本の中だけ』


 だめだコイツ、腐ってやがる……。


『そもそも、他人の血に、依存する生き物が、尊い? 面白いジョーク』

『なにをっっ!』

『生物は、死んでこそ。生きてるシャドウは、中途半端』

『よろしい、ならば戦争であるッ!』

『望むところ』


 本当なら恐ろしいはずの二人のバトルが始まる。

 だが二頭身サイズだと、子猫がじゃれ合ってるようにしか見えない。


『ぐぬぬ!』

『むきー!』


 ドタバタ。

 ここ、俺の部屋なんだが?


「二人ともうるさい」

『『あっ――』』


 インベントリに収納。

 まったく、無の空間(インベントリ)が怖いからって外に出してやってんのに……。


 ゲームだったら最強格の魔王が次々と仲間になる展開はアツいんだけど、リアルはこれだもん……。


 使わないのはもったいないが、かといって使うと精神力がすり減る。

 頭が痛いわ……。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




 以上で、ラグナテア終了です。

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― 新着の感想 ―
終了?!ガーン(꒪⌓꒪) 続きはよっ!!!切実に
 不死ならぬ腐敗の魔王。 但し、腐っているのは自分。
えっ?完結ですか?つ、続きはよっ
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