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滅亡国家のラグナテア ~リアルがゲームに入れ替ったけどデータ引き継ぎで現代無双~  作者: 萩鵜アキ


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第71話 ええと……副委員長

 いやあ、ハジメパパめっちゃ怖かったあ!

 出会い頭の殺気、あれなに? ちびるかと思ったんだけど!?


 顔合わせは、なんやかんやで物別れになっちゃったなあ。

 別クランのマスター同士だし、ぶっちゃけ予想通りではあったんだが……。


「ちょ、白河颯! どうして一条さんに喧嘩を売るような真似をしたんだ!?」

「いやあ、ついカッとなって?」


 後ろから追いかけてきた梶原が、つかみかかる勢いで顔を寄せてきた。

 近い近い!


「一条さんはハンター界の重鎮。敵に回したらどうなるか……」

「あー、そこは心配いらないと思うぞ」


 予想外にハジメパパは良い奴そうだった。

 俺がソロで挑むって言ったとき、めっちゃ怒ってたし。


 たぶんだが、俺と反目しても簡単に潰そうなんて考えない奴だ。


 最初は魔王討伐の主導権を握りたいだけかと思った。

 だがパパを観察してると、どうも俺の命を心配してくれてるみたいだったんだよなあ。


 自分のためだけじゃない筋が、一本綺麗に通ってる。

 まさに、あの(パパ)あってあの()ありだ。


 そんな奴だから、思わず塩を送っちゃったなあ。


「それにしても、何故【払暁の光剣】と手を組まなかった? あの話は白河颯にとっても悪いものじゃなかったはずだ」

「んー、死にたくないから、だな」


 この世界でも、ゲームと同じルールが適応されてる。

 だから、前回の魔王討伐では六名だけしか生還出来なかった。


『お前は何故、深度EXの深淵から生還出来たのが六人だけだったのか、考えたことはあるか?』


 答えは単純。

 生き残りが六名になった途端に、魔王が弱体化したからだ。


 魔王戦は、六名まではパーティ仕様。

 七名からはレイド仕様に能力の倍率が変わる。


 ゲームだとレイド仕様になった途端に、無理ゲーってレベルで倍率が上がったのを覚えてる。

 後々キャラや装備が育ってきたら、あえてレイド仕様でチャレンジしたなあ。

 地獄の魔王討伐イベント。みんな何度死に戻ったか……。


 攻撃受けたら死ぬ、掠っても死ぬ、って凶悪仕様。

 死に戻りが出来るゲームだから出来たようなもんで、あれはリアルでやるもんじゃない。


 ちなみにドロップはパーティ仕様と変わらなかった。


 正直、顔を合わせるまではこの情報を教えるつもりは全くなかった。

 だがあれだけ他人の命に熱くなるところを見せられたら、黙ってるのが申し訳なくなった。


 だってあっち、最大八人で魔王に挑むつもりなんだろ?

 絶対何人か死ぬぞ。

 最悪全滅だ。


 さすがに見殺しには出来ないから、ヒントを出したが……答えを出せるかなあ。

 きちんと教えた方がよかったか?

 でも、そうなるとなんで俺がそんな情報を知ってんだ? って話になるし、この世がゲーム世界に変わったなんてもっと言えない。


 俺がギリギリ言えるラインは、ここまでだ。


「もしや、魔王討伐から逃げるつもりじゃ――」

「それはない」

「――ッ!」


 俺は魔王討伐を目標にしてんだ。

 出たら挑むに決まってんだろ。


「安心しろ。魔王が出たら間違いなく討伐するから」

「そ、それなら安心……じゃない! やはり【払暁の光剣】と手を組んだ方が――」

「その話は終わりだ」


 ポケットから着信音。

 デバイスを取り出すと、安達からメールだった。


 なになに、俺宛にデカい荷物が届いてる?

 添付された画像には、洗濯機でも入ってるの?ってサイズの箱が映ってる。


 んー、俺なんか注文したっけ?


「用事が出来た。他にないなら帰るぞ」

「ちょ、ちょっと!」


 まだ何か言いたそうな梶原を置いて、俺はクランハウスへと帰るのだった。




          ○




 クランハウスのエントランスに、かなり大きな段ボール箱が置かれている。

 宛先は白河颯――俺だな。


「こんな荷物頼んだ記憶無いんだが……」


 ま、いっか。

 とりあえず開封の儀。

 箱の蓋を開けて覗き込むと――人の頭?


「ヒェッ!!」


 いやいやいや。

 さすがにこれはビックリするって……。


 だって中に人間入ってんだもん。

 ちゃんと生きて……るよな?


「~~~~ッ! ~~~~~ッ!!」


 うん、生きてるな。

 でもそこから俺を見上げるな。絵面がかなりホラーだから。


「配達業者って人間を荷物として送れないはずだが……」

『中身が途中で入れ替わったのでは?』

「ふぅん」


 中身を傷つけないように、段ボールを解体する。

 中から出て来たのは、うちの学校の制服を着た女子。

 胸に趣味の悪いペンダントを下げている他は、特に特徴もない。

 でも、なんかどっかで見た気がするんだが……。


「……誰だっけ?」

「~~~!」

「あっ! わかった、副委員長だ」

「~~~~~ッ!!」

「あ、悪い。猿ぐつわ外すわ」


 がっちり止められてる猿ぐつわを外す。

 手足も台座にくくりつけられてんな。

 これも外そうとした時だった。

 女子が泣きそうな表情で叫んだ。


「た、助けてくださいましッ!!」

「ん? いや、もう助かってる――」

「わたくしの、ペンダントを外してくださいましッ!!」

「ん、これか?」

「早くッ!!」


 胸から下がってる趣味の悪いペンダント……なんかどっかで見たな。

 なんだっけ?

副委員長(クラスメートなのに、何故わたくしの名前がわからないんですのっ!?)

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― 新着の感想 ―
名前は副委 員長とか?個性的な名前ですね?(皮肉か天然かはさておき)
>副委員長(クラスメートなのに、何故わたくしの名前がわからないんですのっ!?) え、わかるよ? 「副委員長」だろ? こうですね、わかります
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