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「ユリア様! Sクラスになりました!」
「リーズ、凄いじゃない。おめでとう!」
「有難う御座います。えっと、ユリア様は、Aクラス、ですね」
少し言いにくそうにしているリーズ。
私は大満足なの。
点数もAクラスの中間よりやや上。
さすが私!
素晴らしい結果を出せたと思うの。
「えぇ、そうね。ふふっ。気を遣わなくていいわ。私は充分満足だもの。嬉しくて仕方がないくらいよ? あぁ、でもリーズとクラスが離れて寂しいわ」
「私も寂しいですっ」
「クラスが離れてもこれからも仲良くしてほしいわ」
「私もです!!」
「じゃぁ、行きましょうか」
私達は二年生の棟へ向かった。
「じゃぁ、また後でね!」
私達はクラスが違うので手を振って別れた。Aクラスはリーズを含めた数人が入れ替わった感じだけれど、あまり変わっていないようで少し安心したわ。
リーズの方が大変かもしれない。
だって、あの令嬢達がいるクラスだし!
今日ばかりは授業がないので挨拶だけして帰ることになっている。あ、忘れず食堂に昼食を取りに行くわ。
こうして私は食堂で軽食を持ち帰り、寮に戻った。このままパンを持ってあの部屋に行けばいいよね。
カップや皿をしまう戸棚もあったし、あっちで食べていれば師匠もくるはずよね。軽い気持ちで私は鍵であの部屋に入ると、そこには積まれた本がテーブルの上にあった。
……クッ。分かっていたわ。
そうよね、今の私に必要な知識なのよね。私は泣く泣くパンを齧りながら本に立ち向かった。




