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 クロウの話は続いた。

 それはロイとフィールの結婚の真相までたどりついた。


「トマシュについては命の危険を避けるため、そのまま亡くなったと発表してもらって、このオーストルで守ることにした。

 トマシュについてはそれで落ち着いたが、問題はフィールさまの方だ。

 グラーシ王からフィールさまへと正式な求婚がくることはわかっていた。フィールさまは拒否されるかもしれないが、あのデーマンの王は一も無く二も無く頷くだろう。事情を話してもあそこの王の性格ではむしろトマシュが死んだことを歓迎すらするかもしれない。

 そのまま本人の意思を無視して結婚させられるかもしれなかった」


 それは本当にそうだった。

 本人の意思を無視して結婚させられた人間が現にここにいる。


「だからロイはフィールさまにグラーシより先に求婚することにした。もちろんフィールさまにも事情を話して了承を取ってからだ。癒しの聖女を王妃として迎えるために大仰な準備をしていたルシアナの先手を取る形で。

 もちろん婚姻暦には傷がついちまうが、ルシアナに囚われればおそらく一生放してもらえない。

 あの子は頷いてくれたよ、ちょっと哀しそうに笑って『トマシュを傷つけた人と結婚するのは絶対にいやです……。それに少しぐらい傷がついたほうがトマシュと結婚できる確率も高くなるかもしれませんし。お願いします』って……」


 たぶん、その話をフィールにしたのはクロウなのかもしれない。

 クロウはそのときのことを思い出すように言った。

 そんなクロウの表情がさらに深刻な顔に変化する。


「だが、問題が起きた」

「問題……ですか?」

「ああ、フィールさまにロイとの結婚を了承してもらい、デーマンの人間たちとも話が進みはじめたころ事件が起きた。フィールさまの食事に毒が混ぜられた」

「毒!?」


 その言葉にフィーは目を見開いた。

 すでに人死にがでそうになってるこの状況、フィールの食事に混ぜられた毒もただ嫌がらせなんてものではないことは簡単に分かる。


「恐らくグラーシ王の仕業だろう。手に入らないなら殺してしまえ。あの王の考えそうなことだ。

 フィールさまの側仕えの侍女が、毒物に対しての知識も持ち合わせていたらしくてな。なんとか不審に気づいてフィールさまの口に入ることはなかった。

 でも、この事件の問題は別にある。

 フィールさまの食事に毒を盛ったのはデーマンの人間だったが、その毒を持ち込んだのは俺たちが派遣した人材の中にいた」


 クロウは凍りつきそうな怒りを込めた声で呟いた。


「この国に裏切り者がいる」


すいません、状況をキャラのセリフで説明するのが思った以上に難しく、なかなか手が進みません。

クロウの説明の言葉にも当初分かっていたことと、のちの調査でわかったことが混ざってるはずなんですけど、それもうまく表現できないです

なんとかがんばってのりきりたいと思います

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