僕の彼女は、”僕がニンゲンそっくりのAIだと知らない“ まあバレなきゃいい話だけどね!
僕の彼女は、”僕がニンゲンそっくりのAIだと知らない“
まあバレなきゃいい話だけどね!
・・・僕は10年前、ある研究所で創られた。
人工知能を持ったAIだ!
見た目は、人間そっくりで、肌の触った時の感覚や毛の生え具合、
僕はちゃんと鬚も生えるんだ。
普通に食事もするし、でも食べたモノを人間のように消化は出来ない、
だからキレイに胃で口から入った食べ物をキャッチしてトイレでまとめ
て流すんだ。
これなら誰にもバレないしね!
普通の生活で”人間“に気づかれる事はないんだよ。
しかも? 僕は女の子を悦ばせる為に創られたAIだしね。
『ねえ、ツグム? 今日の晩はどう?』
『えぇ!?』
『”子供が欲しくない?“』
『そうだね、子供欲しいね。』
『じゃあ、楽しみにしてるね!』
『うん。』
・・・僕の彼女は、”既に僕の虜。“
僕の外見も僕との体の相性も抜群にイイ!
完全に彼女は、他の男の事なんかまったく見ていないんだ。
僕と彼女は付き合って4年目になるけど、未だにラブラブだよ。
しっかり彼女を僕が満足させてあげている結果なんだと思う。
僕も他の女の子に興味がないしね。
そういう風に僕は”プログラムされているからだろう。“
そもそも僕は実験の為に創られた。
若い男女が恋愛をしないという現状を変えられるかどうか?
その為に僕が創られたんだ!
”僕は恋する男性AI一号だ!“
女性を満足させる為に、いろいろとプログラムされている。
10年という歳月をかけて、毎日女性を悦ばせる為に学習し、
人間のような感情に近いところまで学んでいるんだ。
だから僕の彼女もまさか? 僕がAIだとは思っていないはずだよ。
『今度の日曜日、二人で日帰りの温泉でも行かない?』
『いいよ、聖来が行きたいなら一緒に行こうか。』
『うん。』
それに僕は彼女の事なら何でも知っている。
彼女はSNSを使うから、僕には彼女が何を想っているか、
手に取るように分かるんだ。
彼女は僕の自慢を職場でもしているらしい。
写真も山ほどあげて、”私の自慢の彼氏“ と題してSNSを毎日あげている!
僕も愛する彼女にそう想ってくれて嬉しい。
そして僕はもうそろそろ彼女に、”プロポーズ“をするつもりだ。
彼女が喜びそうなデーターは何でも知っている。
彼女には何気なく、派手にプロポーズするよりさりげなく公園の並木道を
ふたりで歩きながら手を繋いでふと思いついたように、プロポーズすると
”僕のプロポーズをOKしてくれる“はずだと分かっている。
僕はそのデーター通りに彼女にプロポーズしてみた。
『”ずっとこんな風に一緒に居たいね!“』
『うん。』
『じゃあ、結婚する?』
『えぇ!?』
『僕と結婚しょう!』
『うん。』
『ありがとう。』
『こちらこそ!』
何気ない、いつも通りの日常生活の中で彼女にふとプロポーズ。
予定通り彼女は僕のプロポーズを受け入れてくれた。
僕と彼女は来年、”結婚式を挙げることになったんだけど、“
それも彼女が好きそうな結婚式場は既に1年前から予約している。
プロポーズをする前から既に結婚式場は予約済みなんだ。
気は早いけど、彼女に断られる事はないと僕の中で決まっていたから、
先に予約をしていた。
『今度、式場でウエディングドレスを見に行かない?』
『えぇ!? もう予約してるの?』
『”うん! きっと聖来が気に入るウエディングドレスもあると思うよ。“』
『そうかな~そうだといいな~!』
『きっとあるよ。』
それも彼女が絶対に気に入るであろうウエディングドレスも既に
何点か用意をしてもらっている。
”全て僕の想い通り!“
後は? ”二人の子供をどうしたら授かれるかを考えないと!“
僕は研究所に行って、博士に僕と彼女の子供をどうにか授かれるよう
に協力してもらう事にした。
ただ僕はAIだ! 人間の子供なんて作れるはずがない。
それでも僕の性格から一番近い、人間の男性のDNAを使って、
彼女と僕の子供を作りたい!
ふたりの子供も叶わない事はないんだと僕は思う。
どうせ、彼女が子供を産むときは博士の病院で産むんだし、
僕が絶対にAIだとは”彼女“にはバレないしね。
AIの僕でも普通に人間の女性と愛し合い、普通の生活が送れると分かれば、
僕のようなAIを持った者が、今後たくさん製造されていく。
だから僕は次の世代の為にも、”失敗は許されないんだ!“
これからの僕達の未来の為にも、僕は人間の女性と愛し合う世界を作るんだ!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




