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東方全愛記  作者: 神夜 晶
呪い編
100/181

第92話 『桜と大魔法使い』

どうも、神夜晶です


今回は、お待ち兼ねの聖です


どんな内容にしようかな・・・


でも、桜が聖と仲が良くなるのは間違いなし!


でわ、どうぞ~

星が来てから数ヶ月が経った

その間に命蓮寺の者達が訪れる事はなかった

しかし、霊夢達は普段通りだった

そんな、ある日の事

桜は日課の縁側で料理本を見ていた

勿論の事だが、動物達も居る



「今日は何にしましょうか、白さん」



「……(ツンツン)」



白こと、アルビノカラスに聞いた

聞かれた白は(くちばし)で、ある項目を突いた

その項目とは……



「これは……和食ですね

和食が良さそうですか?」



「……(コクコク)」



そう、和食だった

桜が白に「和食?」と聞くと白は頷くことで答えた

それを見て桜は微笑みながら呟いた



「ふふ、そうですか

分かりました、和食にしてみますね

白さん、有り難うございます!」



「……」



桜は白に礼を言いながら頭を撫でていた

撫でられた白は気持ち良いのか、目を細めてじっとしていた

桜は料理が決まったので、料理を作る為にキッチンへと向かう

キッチンに着き、材料を確認してから何が作れるかを見て作り始めた



「先ずは、副菜から作っていきましょう」



そう言うと、桜は簡単なものから作り始めた

最初は豆腐だ

普通に鍋に火を掛けて湯豆腐にした

次は野菜だ

白菜を良く洗ってから食べやすい大きさに切りボウルに入れる

ボウルへ入れた白菜の中に塩昆布、ごま油、白ごまを入れて手で揉んでいく

白菜がしんなりしてきたら完成だ

次に味噌汁を作った

ネギ、豆腐、なめこを使った簡単レシピの味噌汁だ

次は、ひじきを使った簡単なレシピだ

人参を千切りにしていき、切り終わったらフライパンに油を引き温める

そこへ、ひじきと人参を入れてサッと炒める

その次に大豆を加えて水を注ぎ、砂糖を入れて沸騰させる

沸騰したら、弱火で5分ほど煮込む

5分後に醤油を加えて煮詰めていき、完成だ

そして、最後に主食を作りに掛かった

メニューは決まっていて、まだ残っている豆腐を使ったハンバーグだ

まぁ、ハンバーグの時点で洋食だが暖かい目で見てもらおう

桜は豆腐ハンバーグを作り終えて机に出来上がった料理を置いていく

そして、飲み物を用意して椅子に座り食べ始めた

しかし、その瞬間に玄関がノックされた

コン!コン!



「すみません」



「は~い

この声は確か……」



桜は声に強く聞き覚えがあるようだ

そんな事を呟きながら、玄関へと赴いた

玄関に着き扉を開けた

其処に待っていたのは……



「こんにちは、桜ちゃん♪」



「こんにちは、聖さん!

(菅笠が、とてもお似合いですね♪)」



玄関の前に居たのは菅笠を被って手に錫を持った聖だった

最近は夏に近付いてきたので少し暑い所為だろう

桜は聖が来たと知ると嬉しそうに挨拶をしていた

聖は桜の様子を見て「うんうん」と頷いて喋り出した



「あの宴会から会ってないから

元気そうで良かったわ」



「はい、元気ですよ」



桜は微笑んで桜に元気だと答えた

それを見て聖は微笑みながら言った



「ふふふ、良かった」



「立ち話もなんですし

中へ、どうぞ」



「えぇ、分かったわ

お邪魔します」



「いらっしゃいませです♪」



桜は家の中に聖を誘った

聖も微笑みながら了承し、家の中へと入る

二人は靴を脱ぎキッチンへ向かった

キッチンへと着くと、聖は数ヶ月前の星と同じ反応をした

それを見て、桜は同じように「大丈夫ですよ」と微笑みながら言った



「えっと、桜ちゃん?」



「はい?」



「お昼時なら外で待ってるわよ?」



「いえいえ、そんな事を為さらず大丈夫ですよ

聖さんも御一緒に食べましょ?」



「でも……ぅ」



「……」



聖は悶えた

何が?と聞かれると桜の上目遣いにだ、しかも涙目という最強の武器でだ

それを見て聖は食べるという選択肢しか出て来なかった

故に聖はコクッと首を縦に頷かせる他なかった

桜は頷いた聖を見て嬉しそうに準備を始めた

その姿を見て聖は苦笑しながら「(あれは、危険ね)」と心の中で呟いていた

聖は椅子に座るように桜から言われ、菅笠を置いて座った

因みに錫は玄関に置いてあるようだ



「(皆から聞いてた通りに綺麗ね

掃除も行き届いてて、ほのかに香る木の匂いが良いわね~

こんな大きな家を一人で掃除しているのよね……本当に良い子ね)」



聖は部屋全体と桜を見ながら色々と物思いに耽ていた

そんな事をしている内に桜が聖の分の料理を持って来た

少し用意に掛かったのか、桜は苦笑していた



「聖さん、お待たせしました」



「そんなに待ってないから、大丈夫よ

有り難うね」



「はい」



桜は聖に「有り難う」と言われ苦笑から微笑みへと変わった

そして、桜も椅子に座り二人は「いただきます」をして食べ始めた

聖は桜に「お先にどうぞ」と言われ、断る理由も無いので、箸を持ち食べ始める

大魔法使いでもあるが、僧侶でもある聖は流石と言った所で

箸の持ち方や、食べる仕草は、桜に匹敵する程に綺麗だった



「……」



「……」



聖は湯豆腐と白菜の塩昆布合えを食べた所で感想を言う為に口を開いた

桜は毎回の事だが、矢張り緊張していた



「とても美味しいです」



「ふふ、有り難うございます」



桜は「美味しい」と聞きパァァァという効果音が付きそうな位に微笑んだ

それを見て聖も嬉しく思い微笑んだ



「湯豆腐も丁度良い食べやすさの温かさで

この白菜と塩昆布も合うわね

宴会で桜ちゃんの料理を食べて思ってたけど、本当に美味しいわ」



「ふふ、褒め過ぎですよ

でも、有り難うございます

聖さんに言ってもらえますと、嬉しいです♪」



桜は聖に言われると嬉しかった

それが何故なのかは分からない

余り人を褒めない映姫に言われるのも嬉しいように、そういう風な感情なのかもしれない

聖は真面目な印象もあるので、その所為もあるかもだ

そんな桜を見て聖は頬に手を当てて微笑んでいた



「ふふふ、可愛いわね~」



「か、可愛いだなんて……(カァァァ)」



「あらあら」



桜は「可愛い」と言われ赤面していた

聖は桜を見て和んでいた

それから、二人は食事を終えて世間話をしていた



「そうだったのですか……

星さんが、そのような事に……」



「えぇ、だからね?

桜ちゃんには本当に感謝しているわ

星を変えてくれたのは桜ちゃんのお陰よ」



「そんな、私なんて料理を振舞っただけですよ」



「ふふふ、嘘は良くないわよ?

星から聞いているわ

あの子の心の殻を破ってくれたんでしょ?

私の封印関係で悩んでたみたいで

それが、桜ちゃんのお陰で解決したって聞いてるわ

それに……星から私達に謝罪もあったのよ?」



「そうなのですか?」



「えぇ、あの時は本当に何事かと思ったけど

今、考えてみると……良い方向に変わってくれたようね」



「そうですか、星さんが……」



桜は聖から、ここ数ヶ月間の事を聞いていた

なんでも星は、あの後に全員に土下座をしながら謝ったらしい

そんな星を見て全員が驚愕していたが、桜に心の殻を破ってもらったと言ったようだ

つまり、桜の優しさに振れ、「変わりたい」と願ったのだ

そして、その「変わりたい」という願いが行動に出たらしい

ここ数ヶ月間で自分を見つめ直す旅に出たようだ

そんな事もあり、星は大きく変わった、それも良い方向にだ

前からナズーリンに心配や苦労を掛けていたが

今では逆の立場、つまり本当の主従関係に戻ったらしい

それもあってか、ナズーリンが少しだけ頼りない感じになったんだとか

星の事を聞き桜は俯いては薄く微笑んでいた

「自分なんかの言葉で変わってくれる人が居る」そう知り桜は嬉しく思った

まだ俯いている桜に聖は声を掛けた



「ねぇ、桜ちゃん」



「はい、何でしょうか?」



「私ね、思ったの

私も星も救ってもらった

だから、恩返しがしたいなって」



「そんな、恩返しだなんて……」



「いいえ、とても重い恩よ

受け取ってもらわないと、私達が困るわ

だから、願いを言って欲しいの

例えば、お金が欲しいとか」



「そうですね……

それでは、一つだけ良いでしょうか?」



「えぇ、何でも言って!」



急に願いと言われても困る桜だったが、何か思い付いたのか、聖に一つだけ願いを言う事にしたようだ

それを聞き聖は「えっへん」と嬉しそうに豊富な胸を揺らしながら張った

桜は静かに口を開いた



「聖さんの事を……」



「私の事を……?

(え、何この雰囲気……

もしかして、私とか希望されちゃう!?

それはそれでありかも……?)」



聖は自身を希望されるのかと期待を膨らましていた

しかし、その期待は大きく外れる事になる

桜は一息おいて、再び口を開いた



「“白蓮”さんと呼ばせてもらっても良いでしょうか?」



「……え?」



桜の願いとは名前で呼ぶことだった

村紗は自身が希望しているように村紗で定着しているが

聖に関しては何も言われていないので、出来れば名前で呼びたいと桜は前々から思っていたらしい

意外な願いに桜は気の抜けた声を出してしまった

桜は、そんな聖を見て断られると思ったのか、泣きそうな顔だった



「えっと、駄目……でしょうか?」



「……ふふふ、名前で呼ぶことが願いね」



「駄目……ですか?」



「いえ、そんな事を言われるとは思わなくてね?

もっと別の願いを言われるのかと思ったんだけど

ふふふ、名前で呼んでもらって結構よ」



「それでは……!」



聖は断わるのではなく、意外だったと知り桜はパァァァという効果音が付きそうな笑顔を見せ聖を見た

笑顔で見られた聖は、頷きながら答えた



「えぇ、白蓮って呼んでね?」



「はい、白蓮さん♪」



「ふふふ、良い子ね」



桜は、とても良い笑顔で白蓮と呼んだ

それを見て、母性が擽られる感覚になり、桜の頭を撫でた

桜は撫でられて気持ちいいのか、目を細めていた



「ん……」



「もう、可愛いわね!」



「び、白蓮さん……」



聖は可愛さの余りに桜を自身の胸に抱き寄せた

抱き締められた桜は、頬を紅潮させていた

聖は、ある事を思い付いたので、一旦桜を剥がし話し掛けた



「あ、そうだ

桜ちゃん、少し頼みたい事があるんだけど良いかしら?」



「頼みたい事ですか……

分かりました、何でも言って下さい!」



桜は頼られて嬉しいのか、表情がキラキラしていた

それを見て聖は「してやったり」的な顔だった

しかし、そんな聖を桜は知らなかった



「ふふふ……(言質は取ったわよ)

私の事を誰も居ない時だけ“ママ”って呼んで欲しいの」



「……え?」



突然の事で桜は、紅潮していた頬が元に戻った

聖は悲しそうな表情で首を傾げて聞いた



「駄目かしら……?」



「そ、それは……」



聖の言った意味を頭で理解すると、再び頬が紅潮した

しかし、そんな桜に聖は追撃した



「あら、さっきの何でもと言ったのは……嘘だったと?」



「う……うぅ……」



聖による追撃は、桜の精神に大きなダメージを与えた

流石に、これ以上は可哀想だと思い、聖は追撃するのを止めた



「ふふふ……冗談よ

からかったりして、ごめんなさいね」



「……ました」



しかし、桜は何かを呟いた

聞き取れなかったので、首を傾げて名前を呼んだ



「桜ちゃん?」



「分かり……ました」



「……え?」



桜は聖の無理難題に「分かった」と告げた

その事に聖は、本日2度目の気の抜けた返事をした

しかし、桜は何かを決心したのか

涙目の上目遣いで聖を見て、それを言った



「……ママ」



「っ!?」



桜のママに聖は9999のダメージを負った

つまり、ママという発現に聖は胸ドッキュンをしたのだ

聖はドクンドクンと胸が脈打つ感覚に耐えられなくなり、桜を思いっ切り抱き締めた



「ぴゃっ!?」



「可愛すぎよ~!」



「うにゃぁ~……」



「それも可愛すぎよ!」



桜は聖の抱き締めと頬擦りに猫みたいな声が出てしまった

それが、胸にキュンと来るのか、更に抱き締めた

そんな行動が続いて、気付けば外は夜になっていた

二人は夜だと気付き慌てたが、直ぐに落ち着きを取り戻した

聖は桜に「晩御飯も御一緒しませんか?」と言われたが帰る事にした

ママと呼ばれたことを命蓮寺の者達に自慢したかったからだ

桜は帰ると言われて寂しそうにしたが、直ぐに笑顔になり見送った

それから、時間が経ち桜は風呂に入ろうとした

その時に桜は……自身を鏡で見た



「呪いが足首まで来ていますね……

もう……終わりは近いのですね……

分かってはいましたけど……いざ、目の前にすると……怖いです」



桜は呪いで死んでいくという現実が、一気に圧し掛かり、桜は身体を震わせていた

その夜、桜は静かに声を上げ布団の中で泣いていた

その時に桜の隣には誰も居ず、朝まで夜泣きが続いたようだ

どうでしたか・・・?


聖は更に桜と仲良くなった!


桜が聖を白蓮と呼ぶようになった!


聖は桜にママと呼べと強調するようになった!


以上の三本でした。。。


でわ、また次回に!


晶は瞬間移動で何処かへ消えた・・・まる

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