82話 訓練所
シッタカ村に着いた。
カイ、全部のシッタカに乗せてもらえたんだよ。すごくない?
でもみんな黒くなっちゃうんだけどね。
小さい姿の時はみんな白くてふわふわなのに、カイの魔力吸っただけで不思議…でもないか?
カイ、黒いもんな。
残していった駅員さん、私達が帰ったとたん
「お帰りをお待ちしてました〜」
って半泣きで出迎えてくれたの。シッタカと戯れるの大変だったみたい。吸い尽くされないように逃げまわってたんだって。
シッタカって魔力いっぱい吸うんだね。気づかなかったよ。もともとあまり魔力のない人は命の危機感ハンパないんだって。でも、
「たくさん走れて、いい運動になったんじゃない?」
駅員、おお、なるほど〜、みたいな顔になった。
なんか、それも微妙だな。
カイが黒ドーム出してシッタカ達とお話したら、すぐ全部解決したらしいけどね。適度に訓練することになったらしい。
…へ〜。
「リーナはこのまま次の駅まで線路伸ばしていくのかな?」
「そうしようかな〜って思ってる。ここは、駅舎以外1棟だけでよさそうだもんね」
私達以外に人いないし。これからも来なさそうだし。
「じゃあここから先は俺もついていこうかな」
シッタカいればすぐ町まで戻れるからってことらしい。
「そのためにも、マギラワシと俺らの間を行ったり来たりできるように、何人かシッタカに乗れるようになってもらわないとな」
まあ、電話あるから連絡はくるよね。
「ワレ、連絡係する」
ゴン、立候補。
魔力スタンドの経営があるから、ゴンは5日に1回マギラワシ町まで戻るみたいだし、ちょうどいいのかも。
訓練所のある施設として、シッタカが駅員さんの人気赴任先になるとは思ってなかったよ。
シッタカに追いかけ回されたいとか、ギリギリのスリルを潜り抜けて生還する快感、とか言われてもよくわかんない感覚だわ〜。




