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106/106

106話 おまけ。

「さあケイミー様、今日は王都からお客様がみえられますから、お仕度を急ぎませんと」

「むう~」

いつもより早く起こされちゃった。


ママのリーナはもちろん優しいけど、パパのカイも私には甘々よ。

ほんと、女に生まれる決心してよかった~。

性質的には男の方が向いてたと思うんだけど、男の子だったら、リーナにべったりしたいのに絶対パパと喧嘩になっちゃうじゃん?

リーナには感謝してるからさ、悲しませたらダメだもん。


「今日は最高におめかししましょう」

「え~、面倒くさいのやだ~」

そもそも私、ものすごく偉いのよ。誰かに選ばれる側になんてなりたくないもの。私が選ぶ側なんだから。

どんな格好してても私の魅力に気づかなかったら、それだけの人ってことでしょう?

そんな見る目の無いやつなんて、私の周りにはいらないわ。お断りよ、お断り。


ニスカが用意を取りに行ってる間に抜け出しちゃおっと。

適当なワンピースを着て窓から脱出。

私、この星で一番偉いんだもの。こんなの簡単、簡単。

って

「ちょっと、どいて!どいて!」

危ないわよ!

下に人いるとか思わないじゃない?あ~びっくりした。

地上2ミートルくらいのところでふわっと風を起こして着地する。

「…君、天使?」

「違うわよ」

神様よ。

「名前は?僕リリーって呼ばれてるんだ」

「ケイミーよ。じゃあ私急ぐから」

ニスカに気づかれちゃうじゃない。


「ちょっと、なんでついてくるのよ」

「ケイミーに興味があるからかな」

私、町で遊びたいのよ。大人なんかついてきたら邪魔だわ。

「変態なの?」

「な、なんで?」

リリー、どもってる。

「ママが言ってたもの。小さい子にしか興味のない人がいるんだって」

「別に小さい子に興味はないけど、ケイミーには興味ある」

「ロリ」

「じゃないよ!」

早いな、ツッコミ。


「でもおじさん来ると、周りに人ついてくるから邪魔」

リリーの周りにパパの軍団みたいな人がずっとついてるんだもん。

「お、おじさん」

え、おじさんだよね。

「まだ、19なんだけど…」

「なんだ〜、やっぱりおじさんじゃん」

ご〜ん。

なんかリリー白くなったみたい。


まあいいや。今のうち!

ちょ、ちょっと離してくれない?

リリーの手がワンピース掴んでる。

ぎゃっ、今度はぎゅ〜された。

魔法で転移しちゃおっと。

あ、あれ?なんで魔法陣展開されないの?


「リリアス様、お探ししました。勝手にいなくなっては困ります」

「うん。ごめんね、セレス。僕の運命を見つけちゃったんだよ。この子、僕の嫁」

げっ!

「や、ヤダよ!リリー、おっさんだもん」

それに私、ずっとリーナと一緒にいるんだもん。

「あんまりケイミーが嫌がると、成人してなくても結婚できるように、法律変えちゃうかも」

「横暴だよ!」

神様の私より、ワガママだよ!びっくりだよ!

「リリー、何様?!」

「ふふっ、次期国王様、かな?」

リリー、内緒話をするみたいに、いたずら顔になった。

「だって、この国は君のもの、だろ?」

って?リリー?

「あれ?なんだかそんな気がしたんだけど」

リリーが首を傾げてる。

かと思ったら唇くっついてる。

リリー、やっぱりロリだったんじゃん!

ん?あれ?何か身体から出て行く感じがする。

ちょっとダルいかも。

ぐて〜とリリーに体重をかける。



でも…あれ?


ああ、そうだったかも。

『この国は君のもの…君のため』


あの時、君に救ってもらった私の孤独。

君が寂しいっていうなら、今度は私が君を慰める番だと思ってたんだよ。

昔の君も、決して不幸だと思ってなかったって知っているけど。


それでも今は、もっと幸せを感じてくれてるかな。

そして、私も君の近くで幸せを感じていたかったんだ。

1番の幸せを注いでもらえる存在になりたかったんだ。


ケイミー…『けいは私だよ』だって、ふふっ。

ねえ、里奈。





後日談になります。

最後は冷静に考えると、小学生くらいの少女に青年がちゅうしているように周りには見えるという…。

きっとセレス君は主の姿にぶるぶるしてることでしょうね。


そして、誰が誰なのか?わかりにくかったかもしれないと思い、本当に短いですが裏話を後で書いておきたいと思っています。

予測がついている人にはいらないお話ですね。


お付き合いいただきありがとうございました

m(_ _)m

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