104話 だんだんです
だんだん寒くなってきたけど、今年はリンジー先生のお手伝いをしなくてもよくなった。
カイも他のことが忙しいらしく、毎年のお仕事はしないんだって。
「じゃあ、ウィンタースポーツ施設作ってきてもいいですか!」
「ダメに決まってるじゃない」
ミラーさんと結婚して王都に行くことが多くなったサヤ姉は、なんだか貫禄がついた。
見た目のことじゃないよ!
「なんで〜」
やることないじゃ〜ん。駅作りは寒いときは無理だし〜。
「今冬はリーナにそんなヒマないでしょう?」
なんかあったっけ?記憶にないんだけど。
線路の反対側を開発する仕事しか残ってないような?
「春になったら成人するんだし、準備に時間がかかるでしょう?」
「準備することなんてあったっけ?」
サヤ姉の時、特に何もしてなかったよね。
もちろん、家族でお祝いはしたけどさ。
「お洋服を仕立てないと。お姉ちゃんが1番ステキなの仕立ててあげる!」
え、え〜と。あ、あれかな?
やっぱり妹とか弟とかってかわいいもんね。お祝いしてあげたくなっちゃうみたいな?
いいお姉ちゃん持って、私幸せです!
「そういえばさあ、リーナは結婚する時どんな服着たいの?」
結婚!
結婚する時はやっぱり純白のドレスとか着たいよね。
私、前の時も着てないしな〜。女の子の夢だよね〜。
「白いフリフリのドレスかなあ」
むふふふ〜。
「成人のお祝いと一緒にするんでしょ?」
白いドレスかあ。こっちで見たことないなあ。ベールとか、長いやつ。レースはあるよね。
「ねえリーナ、カイ君とどんな話になってるの?」
そういえば、こっちの結婚式の時ってどんな服きてるんだろう。和装みたいのは見たことない。
ちょっと着飾るくらいかなあ。
「リーナ?…聞いてないわね、人の話」
ん?なんかサヤ姉、どっか行っちゃったね。
なんの話してたんだっけ?
ま、いいか。
って、ぐるじい〜。
サヤ姉たちがなんか採寸はじめたよ。
ぎゅうぎゅう絞められてるよ。
こんな苦しい服着たくないよ!せっかく作ってくれるなら、楽ちん服を希望します!




