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神の怠惰な日常〜めんどくさがりの神が本気を出す時〜  作者: おまめあずき
第一章 私達の王位継承争いの始まり
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第四話 アマイラが王位継承争いに加わるには

サブタイトルを変更いたしました。

(旧題・王位軽装争いの第一歩①)


アマイラが王位継承争いの第一歩に立つには、勢力としての「力」が必要だ。

「力」は、主に公爵家など、上位貴族の人間とつながることで手に入れられる。


私は、近くに控えていた世話係、ティングス・チェーン(通称・チェーン)に話しかける。

「チェーン、今の所、どこにもついていない公爵家はどこだったかしら。」


チェーンは少し考え込む素振りを見せたが、それでも迷わず口にする。

「……今のところは、中立として北都のエンダー公爵家が。」

「そう。」

エンダー公爵家……といえば。

「エンダー公爵家、といえば、ヘイダーの?」

「はい、第五王子、ヘイダー殿下の献身先かと。」


フォレスト王国にはとあるしきたりがある。

それが「献身」だ。


北都 エンダー

南都 セーヴィン

東都 ウィープロセプァ

西都 アスク

主都 ダヴァ


フォレスト王国はこの五つの都に分かれているのだが、王子、王女等は、主都 ダヴァを除く四つの都の内、一つに「献身」という、それぞれの都を治める公爵家に奉公のようなものを五から十歳になるまでの間する。

御年八歳の王子、ヘイダーがエンダー公爵家へ「献身」をしている最中なのである。

なので、エンダー公爵家へ打診をしに行ったらもう十中八九、ヘイダーと会うことになるだろう。


「ヘイダーは正直言って苦手なのだけど。

……ヘイダー(嫌う者)という名前の通りに私達王族を嫌っているもの。」

「アマイラ王女殿下に一任しては?

ヘイダー殿下もアマイラ様にはなついておられましたし……。」


そのチェーンの提案に思わずため息を付いてしまう。

そう、ヘイダ―は一応アマイラにないついてはいる。

が、アマイラだけだと、おそらく何年立っても交渉はできても、帰ってくることはとても難しいだろう。


なぜなら、ヘイダーは筋金入りのシスコンなのだ。

アマイラを送れば、アマイラがいつまでも帰ってこなくなってしまうのは間違いない。

アマイラや、私達の妹、第四王女イネッセにベッタリなのである。

でも、お父様(国王)から任された仕事があるから、私とアマイラの両方がこの城を離れるわけにはいかないし……

「あああぁ〜……。」

いい代案が思いつかない……!


「……マ―ヴィリー様、これを利用しては?」

と、チェーンが私にとある資料を見せてくる。

「へぇ……。」

これは使えるな。


それは、エンダー公爵領での狩猟大会の知らせだった。


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