第三話 アマイラの決意
またまた短いです………!!
申し訳ありません…!!
王宮の中庭にて、双子の姉妹のお茶会が開催されていた。
「……アマイラ、大丈夫なの?」
あの日から数日、アマイラは治癒魔術にて傷は全治したとはいえ、まだ齢十数歳の少女。
精神面での不安が残るからこその質問だったのだが、杞憂だったようで、ほほえみながら口を開く。
「ええ、お姉さま。ご心配には及びません。ですが……」
と、そこまで言ったところで、アマイラの顔が曇り、うつむく。
「………王位継承争いのこと?」
アマイラは淑女の鏡とまでも呼ばれるほど作法が美しく、人への偏見などのない人格者で、おまけに見目麗しい少女。
王位継承争いがなくとも狙われることは多かったが、今回のように傷がつくようなことはなかった。
なぜなら、狙われた目的がアマイラの誘拐だったからだ。
アマイラを傷つけてしまっては、価値が下がるというものだ。
が、今回は明らかにアマイラの殺害のための襲撃だった。
「……前々から、王位継承争いへの参加はしないのか、なんていう質問をされたことはあったの。
でも、今回のような襲撃を受けるのは初めて。
たしかに、怖いし、血にまみれているような茨の道だわ。でも。」
うつむかせていた顔を上げる。
「このまま、ノーレッジお姉さまやストライフお兄様に、大事なこの国を、民を、任せるわけには行かない。」
強い決意を宿した瞳。
その瞳を見て、私は笑って。
「そう言うと、思っていたわ。」
優しい、この子のことだから。
家族だろうが誰だろうが、敵だとわかったら殺そうとする、そんな王には、女王には、ならせるわけにはいかない。
そんなふうに考えたんでしょうね。
「本当に、優しい子ね。」
「マーヴィリーお姉さま?」
私は、持っていたカップを置いて。
「……いえ、なんでもないわ。
…では、話しましょうか。
王位継承争いに加わるために最低限必要なことを。」
「はい。よろしくお願いいたします。」
アマイラは、真剣な目で私を見つめ返してきたのだった。




