第三十五話 覚悟
またもや遅くなってしまい申し訳ございません。
最近筆のノリが悪く……。
申し訳ございませんが、当初予定していたエンドではない可能性がございます。ご了承ください。
また、今回から16時の投稿に変わりました。
よろしくおねがいします。
では、本編どうぞ。
ケタケタケタ、と笑い続ける少女………だったナニカ。
便宜上、ここでは悪魔としておこう。
悪魔の周りには全てを呑み込んでいくと錯覚させるほどの深い、深い闇があった。
闇の正体は、瘴気だ。
“あああああ、ふふふふふふふふふ、あははははははははははははははははは!!!!”
「っ耳障りな声で喚くわね……!」
コレはもう浄化だけではどうしようもならない。
今も、周囲の瘴気を取り込み続け、力を蓄えている。私が今、攻撃されていないのは吸収中だから、なのだろう。
これ以上状況が悪くなる前にどうにかしないといけない。
もう、あの悪魔には少女だった頃の面影が、ない。
助ける事はできない。
……そう、割り切れればよかったのだけれど。
「……あんなお願いされちゃ、ねぇ……。」
自分の身のことなんて顧みず、必死に嘆願するイネッセの姿を思い出す。
“あはははっあははは! あっはははは!! オモシロイ、オモシロイ、オモシロォイ!”
少女は嗤いながら瘴気をばらまく。
「さっきから邪魔すんじゃないわよ! いいとこなのに!」
邪魔をしてきた少女を再び拘束するために鎖を出す。さっきより力は強くなっているだろうから、気持ち多めに、ね。
“ジャマ、ジャマァァァアアッ!! アッハハハハ!!”
が、鎖はたちまち真っ黒な瘴気に包まれ、ジュワリと溶ける。
「うっわ……。」
いや、ちょっと。それを生成するのにも少ないとはいえ、力を使ってるんだよ?
そんな簡単に消さないでよ。
いちいち鎖の形状を表現するのも面倒くさいのよ?
特に、つなぎ目とか。
「ほんとに、可哀想。」
あんな、ただの膿のような存在に侵されて、人格を捻じ曲げられて、好き勝手に体を動かされて。
取り込まれた女の子にちょっと同情するわ。
「……よし!」
今、チョチョイっと作った彼女専用の捕縛陣が後ろに展開される。
ふわり、と、一瞬白い光をまとったかと思うと、その光がまとまり、先程より輝いている銀色の鎖が何本も現れ、悪魔にまとわりついていく。
一本だったら対処のしようもあったのだろうが(それでも時間はかかるだろうし、力の消費も半端ないだろう)、複数の鎖を対処するのは難しかったようだ。
“キエ、キエ、ェエ、キエロォォオオオアアアアア!”
咆哮しながらどうにかして鎖を消そうと瘴気を放つが、全く効果なし。
そのまま大人しく拘束されるしかなかった。
あら………身体能力も上がってるだろうから、力でどうにかしてくるだろうと思ってたのに、そんな素振りがないわね……。
パワー型、というより魔法型だったのかしら?
でも、小さい少女だったから本来の力を発揮できてない、とか。
有り得そうね…。
あの状態に変した後でも個体差はあるようで、パワーに特化したもの、スピードに特化したもの、魔法に特化したもの、直接攻撃ではなく、遠距離攻撃に特化したもの……。様々な者がいたが、この悪魔は魔法特化型だったようだ。
さっきから力任せに魔法を放ってきている(瘴気を操るのも一応魔法の一種)から、てっきりパワータイプかと思ったんだけど。
「……でも、まさか人間は鎖につかまった後でも魔法が使えるなんてね……。」
そう。先程捕縛することができた少女の悪魔だったが、未だ器用に周りの瘴気を動かしていた。
そして、鎖が破壊できないと見ると、わたしに対して攻撃を仕掛けてきているのだった。
結構な力(30%くらい?)を使って張った障壁でどうにかしのいでいるけど…。
もう結構限界ね。
どれだけ沢山の人が閉じ込められてたのか、瘴気の質が良い上に多い。
ほんっとうに面倒ね……。
――そんな事を考えていた矢先。
「セイント・セージャー様!?」
後ろで、聞き慣れた声がする。
きちゃったか。
そんなことを思いながら振り返る。
「お久しぶりです、アマイラ・フォレスト殿下。」
避難した人の無事を確認してから事態の収束のためにこちらに来たのであろう、アマイラが、我が最愛の妹が………そこに居た。
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