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神の怠惰な日常〜めんどくさがりの神が本気を出す時〜  作者: おまめあずき
第二章 南都セーヴィンと第二王子ストライフ
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第二十九話 変わってしまった少女

マーヴィリー視点に戻ります。

短いです。すいません。


――予想外の事態。

私がそんな事態に陥ることは少ない。


でも、目の前で起きているこれは流石に、予想外だ。



空の暗雲からは雷鳴が轟き、大地は空に浮かぶ球体によって次から次へと生み出される魔物の過剰な魔力吸収により干からび、私達の体には薄い霧がまとわりついている。


空に浮かぶ球体は中からボコボコと突き上げられるように歪に膨らみ、今にも中に閉じ込められているであろう大量の瘴気が溢れ出しそうになってきていた。


これは……早急に対処しないとまずいわね。



そんな事を考えている矢先、きゃあああああ! という女性の叫び声がアマイラのいる方からする。

何かあったのか?


そこに顔を向けると、

「落ち着いてください! 今は騎士の皆様のじゃまにならないよう、ここから速やかに退避することが先決です!!」

アマイラが声を張り上げているのがわかった。


今のはどうやら、魔物を見たことのない令嬢などが驚き、叫び声を上げてしまったようである。

それも、アマイラの声でようやく落ち着きを取り戻したようで、怯えながらも必死にここから避難しようとしてるようだ。

……混乱の心配はないか。


アマイラのおかげであらかたの人々は全員避難し―――罪人だから牢屋に送られたのはもちろんのこと―――あとは……。




――ボコン……ボコン…


今尚、形が変形しているあの球体への対処よね。


«ぁ……ぁ……ぁぁ……»


球体から、歪にひび割れた声が響く。


«こ゛……こは゛……と゛こ゛……?»


そのひび割れた声は、しわがれた老婆の声にも、女の人の声にも、少女の声にも聞こえた。


«……た゛…ぁ…れ?»




ああ、これは―――




«……ぁ……ぁ…ぁ…あ゛……»





―――苦しみ、絶望する幼い少女の声だ。



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