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神の怠惰な日常〜めんどくさがりの神が本気を出す時〜  作者: おまめあずき
第二章 南都セーヴィンと第二王子ストライフ
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第二十六話 イネッセ奪還作戦 最終段階④

視点がコロコロ変わり申し訳ございません。

今回はマーヴィリー(マイ)からアマイラ(アイ)に変わります。


「―――では、会場の皆様。これから奴隷オークションを開始いたします!」


多くの仮面をつけた人々がいる会場へと、司会が高らかに宣言する。

その声とともに、リン、リン……とどこからか鈴の音が聞こえてくる。


鈴の音。今、たとえその音はわたしにしか聞こえないとしても。

「な……。」

数秒もすれば、聞こえてくるだろう。

はっきり、鮮明に。


―――己の破滅を告げる鈴の音が。



……我が国、フォレスト王国。

その軍事力は、他国を遥かに凌駕する。


魔族領に属するという隣国を抱え、なおも大国として君臨するフォレスト王国。

フォレスト王国のその防衛には、とある騎士団が関わっていた。


その騎士団の名は、【ディソール騎士団】。

主人の悪を裁いたとされる騎士たちの集まりだ。

団員たちは一致団結し、仲間のためなら命を賭けるほどの協力関係を築いている。

そんな騎士団のトレードマークと言えるものは、アザミの花が描かれた鈴。


その鈴の音は、この国の人間の誰もが知っている音であり、悪を裁く象徴でもある。


――さあ、ショーを始めましょうか。


   △▼△▼


「―――では、会場の皆様。これから奴隷オークションを開始いたします!」

司会が宣言する。

これから、何が起こるのかも知らずに。


―――私、アイ(アマイラ)は、イエガル商会長に連れられ会場まで来ていた。

結局最後に私は奴隷化されるけども、ちょっとは希望を叶えようとでもしたのかしら。

私は無事にオークションを閲覧することができている。

まぁ、始まりの宣誓はされたけど、とあるもののせいで周りは騒がしく、人が運ばれてきたりはしておらず、舞台の上には司会がいるのみだ。


―――リン、リン……


一定のリズムで聞こえてくる鈴の音。

それとともに、彼らが来ているであろう鎧の擦れる音も聞こえてくる。


もう既に会場は阿鼻叫喚の図となっており、騒がしいことこの上ない。

まさかバレるとは思っていなかったようである。

なぜなのだろう。


程なくして、会場に騎士団が現れる。

その兜にはアザミの花が描かれた鈴が揺れている。


お姉さま、いつの間に手配したんでしょう?

まぁ、あの方が化け物じみているのは昔っからですものね。

それをいちいち気にしていたらきりがないわ。


そう納得し、頭を切り替える。


騒然とするなか、私はスッと前へ一歩踏み出す。

そして、仮面を脱ぎ捨て、淑女の礼をする。


「お集まりいただき、光栄ですわ。【ディソール騎士団】の皆様。」

顔を上げ、騎士たちと真っ直ぐ向かい合う。

いつの間にかナナリーとホープさんも後ろに控えてくれている。


「……お言葉、感謝いたします。

我らは命に従ったまででございます。…それで、貴殿の姉上はどちらに。」


先頭に立つ寡黙な騎士がそう告げる。

淑女の笑みは崩さない。


「あちらに。」

私は舞台の方へ視線を投げる。


それとともに、舞台の袖からガシャン、と音がする。

それは、檻が破壊された音。


舞台袖から数十人の人々が出てきており、その中には子供もいた。

その先頭には、マーヴィリーお姉さまがいた。



「お約束は守れたかしら?

騎士団長様。」

「……まさか、本当に。

…。ええ。もちろんですとも。」

お姉さまは、舞台の上で微笑んだ。



感想などお待ちしております(_ _)

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