第二十二話 イネッセ奪還作戦 最終段階①
アマイラ視点 → マーヴィリー視点となっています。
短いかもです。
―――ざわ……ざわ…………
ここは、どこかの貴族の別荘でも借りたのだろうか。
品を感じさせる立食パーティーのようだが、後にここで行われることを思ったら吐き気がする。
イエガル商会長と一緒に退室した私―――アイこと、アマイラ・フォレスト。
睡眠薬をもられたふりをし、馬車で揺られること数時間。
建物の前に止められた馬車から私とナナリー、ホープさんが出され、最後にイエガル会長が出る。
会場の内部からお姉さまの声が聞こえた―――私たち(私と姉さま)は五感が良いので、集中すれば半径1キロ以上聞くことができる―――ので、おそらく最悪のパターン。
マーヴィリー姉さまがオークションにねじ込まれたんだろう。
一番嫌だった結末になるなんて最悪です……。
ああ、これが公になったら姉さまがまた社交界で笑いものにされてしまう…。
「ぐふ、どうでしょうか、初めてのオークションは。」
そんな私を現実へと戻したのはイエガル商会長。
オークション会場に着き、中にはいった時点で起こされた。
そこで、いつの間にか私達の服も変わっていることに気がついた。
私がまどろんでいるときになにかされていたからなぁ……。
ナナリーとホープさんは侍女服のような服に、私はどこかの貴婦人が着そうな―――いってしまえば古めかしいドレスへと着替えさせられていました。
……あ、普通に着替えさせる人は女の人でしたよ。そこだけはきちんと確認してます。
イネッセ、姉さん……。
待っててくださいね! 必ず助けますから!
△▼△▼
「ここだ! ガタガタ騒ぐんじゃねえぞ!」
そういって、私達を先導していたガラの悪い男は鉄でできた扉を指差し、人を脅す。
こうして他の人をまじまじと見て気づいたけど、此処には何人か貴族がいるわね。
それも、準男爵や男爵、子爵などの身分の低い貴族の娘や二、三男坊など。
ご丁寧に魔力等がある人達は特殊な手枷――封印枷がはめられてるわね。
いやぁ、身分偽っておいてよかった良かった。
それじゃないと私もその手枷つけられてたところだったわ。
というか、よく此処まで派手にやって発覚しなかったものね。逆に感心するわ。
でも、それも今日までよ。
絶対に一匹たりとも逃さない。
一匹残らず潰してあげる。
ネジ曲がったその根性、叩き直してあげるわ。
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