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神の怠惰な日常〜めんどくさがりの神が本気を出す時〜  作者: おまめあずき
第二章 南都セーヴィンと第二王子ストライフ
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第十四話 第四王女イネッセの誘拐と、和む一幕

今回は、第三者視点 ➡ マーヴィリー視点へと移り変わりがあります。



「きゃっ……。」

商家の文様が彫られた馬車の荷台に紫がかった銀糸の髪が美しい十歳くらいの少女が放られる。

「よし! これで依頼された仕事は完了か?

おい、チビ!! 音を立てるんじゃねぇぞ!!」

「ひっ…。」

少女を放った屈強な男が、少女を脅す。

それに対して少女は、怯えるようにひっ、と声を上げたかと思うと、手を組んでこう呟いた。

「……助けて、マーヴィリー()()()……。」

少女―――イネッセ・フォレストは、いつの間にか、己の信頼する姉の名を呼んでいた。


イネッセが放られたその荷台においてある、一つの檻。

その折を覆っている隙間から、琥珀色の瞳がイネッセを見つめていた。


   △▼△▼


「…………ねぇ、アマイラ。」

「何でしょうか、お姉さま?」

「……怒ってる?」

北都エンダーから帰ってきてから、アマイラの様子がおかしい。

私と目を合わせてくれなかったり、露骨に私と話すのをやめたり。

アマイラが怒っているときは、ちょっとしたことで、こうやって嫌がらせをしてくるのだが……

今回は、お茶会に誘っても用事があるので、の一点張りだし、予定がなくなっているのを確認してから誘ってみても、なぜか他の令嬢とお茶会をしたり……

アマイラ、お姉ちゃんは寂しいよ……。

「怒ってます、と答えたら、どうするんですか?」

「……なんで怒ってるの?」

「さあ、ご自分の胸によぉく問いかけてみてくださいな?」

え? なんか悪いことしちゃったかな?

これは、激怒だぞ……

「わからないんですか?

……エンダー公爵家でのことですよ。」

エンダー公爵家のこと?

なにか、したかな?

「「?」マーク浮かべないでください、お姉さま。

支援の最終的な微調整、全てお姉さまとイングザイディ様に任せてしまいましたわ……私が発案したものだったのに…。」

「その気持だけで嬉しいわ。」

「……お姉さまのたらし!!」

え、たらし? みたらし団子のこと?

でもまぁ、抱きついてくる(アマイラ)が可愛いから、いっか。



なにかおかしな点があったら、遠慮なくコメントなど、よろしくお願いいたします。

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