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源平合戦で命を落とす安徳天皇に転生した俺、死にたくないので、未来の知識と過剰な努力で、破滅の運命を覆します  作者: さとちゃんペッ!
2章

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60話 俺たちは浦長の屋形を目指して帆を張った

ブラック企業で過労死寸前だった俺(赤星勇馬)は猫を助けようとして死んだ。神様からはスマホが見られるチートを授かり、壇ノ浦で入水する前の安徳天皇に転生する。そこは、平安貴族の優雅な生活を味わいつつも、悲惨な当時の庶民の暮らしを知る。

2度目の死は避けたい俺は、ブラック企業よりはましな今を全力で生き抜く。


~あれ?いつの間にか牛若丸から理想の君主と崇められているんだが~

決まってからは、早かった。


それぞれが自分の道具を手際よく運び込む。

源さんは釣ったばかりの魚を手早くさばき、舟に刺身の桶を積む。

俺は水の入ったひょうたんを載せ、六さんは大事な投網を小さく巻いて丁寧に置いた。


ハヤテは急に浜に戻り、神様の鳥居のそばへ流木や板を丁寧に積み上げた。

「……戻ってきたら、その時はよろしくお頼みします!!」

大きな声で叫んだ。

九郎がそれを見て爽やかに笑った。


全員がそろうと、舟を一斉に押し出す。

砂をきしませ、波を切り、舟はゆっくりと浮かび上がった。


「もやい!」

ハヤテがもやいを手に、岩場の一本道を行く。舟を引き寄せて安定させたら、俺たちは一人ずつ乗り込んだ。

舟が揺れないようにバランスをとる。最後に、ハヤテが軽やかに飛び乗った。


ぱん、と音を立てて帆が膨らむ。

風を受け、船首は西へ向いた。


午後の太陽が西の空に傾いている。

俺たちはその光を追うように走り出す。


――太陽が沈むのが先か。俺たちが彦島に着くのが先か。


九郎が空を見て海を見て、嬉しそうにつぶやいた。

「いい風だ!」


ああ、浦長の屋形に帰るんだ。

歓迎されるかどうか、わからないが美味い魚汁とおにぎりがある。

お花ちゃんお鈴ちゃんは元気でいるだろうか。

源氏の落人狩りはどうなっているのだろうか。


――心配はつきないけれど、彦島に帰りたい

まだまだ修行中のさとちゃんペッ!です。ブックマークお願いします。リアクション、コメントをいただけると、嬉しいです。感想もぜひ!よろしくよろしくお願いします!!

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