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32話「リアの新装備」

「取りあえず特技習得も出来たし、二人の様子を見に行こうかな?」


 【ジャイガンティック・スケルトン】を倒す準備が整い、すぐにでも討伐に出発することが出来るのだが、その前に二人がいる職人施設の前に立ち寄ることにした。

 以前にアミに説明してもらった記憶を頼りに、職人施設へと歩みを進める。


 相変わらず、リアの姿を見るとギルド勧誘が飛んでくる。


「もう加入するギルド、決まってまーすっ!」


 分かっていたこととはいえ、何度も声をかけられるのが面倒になってきた。

 もはや動画の一件で色々と書かれていることは知っているので、抵抗は多少なりともあったものの、勢いに任せて大きな声で叫んでおいた。

 街に居るプレイヤーの視線が一気に注がれてしまったが、それ以来は声をかけてくることが一気に無くなった。


 職人施設に入ってみると、多くのプレイヤーが装備品などの製作を行っている。

 施設内は広く、鍛冶を行う施設と裁縫などを行う施設など、それぞれ製作過程別に大きな施設が建てられている。

 アスハが行っているのは裁縫なので、早速そちらの施設の方に足を運んでみた。


「あ、いたいた」


 椅子に座って黙々と手を動かすアスハと、それを興味深そうに見つめるアミの姿があった。

 他人のことを言えるような立場ではないが、初期装備の女の子が裁縫作業をしている姿を、まだまだ普及していない上級装備を着たプレイヤーが熱心に見つめているという光景は、なかなかに異質。

 かなり集中しているようなので、声をかけないようにして静かに二人の方へと歩みを進める。

 近づいてみると、裁縫作業の様子がしっかりと確認できる。

 出来つつある装備は、リアがまだ見たことのないようなデザインの装備。


「出来たっ!」

「「おお~!!」」


 完成した瞬間、アスハが声を弾ませた。

 リアもアミも職人の作業を見慣れていないので、一連の流れを見て、思わず拍手してしまった。


「あ、リアさんお戻りになられたんですね!」

「うん、さっき終わった。作業中に声をかけるのはまずいなって思ったから、黙って見学してた!」

「思ったより帰ってくるの早かったけど、もう習得出来たの?」

「うん。これでもうあのガイコツ討伐に向けて、今の段階で出来る分の準備は、整ったと思うよ!」

「じゃあ、もうあのガイコツ討伐にチャレンジするの?」

「そのつもりー。で、二人にも外からその戦闘を見守ってくれたらなって!」

「でしたら、今作った装備を着けて戦っていただければ! 今のところ、頭と体上は作りましたので!」


 アスハは、先ほど作り上げた装備をリアに手渡した。


「先ほどリアさんからいただいた素材で、作れる装備です! おそらく、市場でも見たことがないので、かなり優秀な装備かと思います!」

「私が使っちゃっていいの?」

「もちろんですよ! それにまだ素材はありますので、残りパーツも作っていきます!」


 主に【サラサラ雪】や【透明な水晶】、【輝く雪の結晶】などを使用して作ることが出来る装備のようで、リアが散々集めてきたのでシリーズ全て製作することが、出来そうだとのこと。

 アスハが装備製作を続ける中で、隣で静かにリアとアミはギルドの勧誘について考えながら、完成を待った。


「お待たせしましたー!」


 しばらくすると、体下や腕、足などの装備もアスハの手によって作られた。

 どれも雪の素材を使っているためか、白銀に輝いており、いかにも強そうに感じる装備が揃った。


「盗賊職の方だけが付けられる装備のようです」

「じゃあ、アスハちゃんは装備出来ないの?」

「そうですね。タイプが似ているので、装備出来そうなものですが、出来ないみたいですね」

「そうなのか……。何か私だけもらって申し訳ない」

「いえいえ! ギルドに快く引き入れてくださいましたし、素材提供して頂けたことでこうして作ったことのない装備作製で経験値も多くいただけましたし!」

「残っているアイテムは、自由に使ってね! 後、作りたい装備で必要な素材とか教えてくれたら、獲得手段が分かる物は集めるから!」

「ありがとうございます!」


 早速、アスハの製作した装備をリアを装備していく。

 これでようやく、初期装備から脱却することになった。

 着けてみると、全身が白銀で輝いている。


「凄く光っているように見える!」

「雪に光が当たって反射するのと、同じ感じに見えますね~。まぶしいです!」

「何だろう、人ごみの中でもすぐに見つけられるようになったような気がする」


 アミの言葉からして、外からの見ても相当派手なようだ。


「よし、これでよりあのデカいガイコツ討伐に向けて、準備が整ったぞ!」

「今から討伐行く?」

「モチベーション上がってるし、そうしたいところ!」

「アスハちゃんは見に行く?」

「すごく気になるのですが、レベルが低いので周りのモンスターに襲われそうです……」

「じゃあ、私がパーティ組んで護衛するから大丈夫だよ!」

「本当ですか!? ありがとうございます!」

「あ、私もパーティ入っておくよ。で、あいつと戦闘する前に私だけパーティ抜けるか、二人がかなり距離を取っておけば、実質一対一みたいに出来るし。パーティ組んだ状態のまま討伐出来たら、パーティ全体で何かゲットできるかもしれないし!」


 ひとまず三人でパーティを組んで、【ジャイガンティック・スケルトン】がいる廃墟村へと向かうことに決め、それぞれ準備を整えることにした。



 【リア】 【♀】 盗賊Lv40


【武器】木のナイフ 【盾】装備無し

【頭】塵雪バンド

【体上】塵雪チュニック

【体下】塵雪パンツ

【腕】氷箔の手袋

【足】塵雪ブーツ

【アクセサリー1】装備無し

【アクセサリー2】装備無し

【アクセサリー3】装備無し


【スキル】盗む、初級落とし穴、煙幕、ハイパースティンガー、ライトエレキスロー

【コピーした特技】鬼火、イリュージョン・カウンター、ライトニング・チェイン、メテオ・ストライク、アイスマター、ガラスの殺陣、ジャンピング・クエイク、ダークラッシュ


【HP 73/73】 【MP 23/23】

【STR 40〈+14〉】

【VIT 26〈+76〉】

【AGI 51〈+40〉】

【DEX 55〈+45〉】

【INT 16】

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[良い点] 好みの作品で一気読みしてしまいました! [気になる点] 主人公がみつぎグセがあるようにしか見えなくて不安になる……
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