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17話「レベル上げと今後のプラン」

「アイスマターを習得できたから、何か技を一つ削除しないと」


【アイスマター】を入れる代わりに、【アースショック】を削除した。

 これで【イリュージョン・カウンター】を始めとして、ユニークモンスターの特技を合計三つ習得することに成功した。


「あと問題なのは、ポイズン・バレットと鬼火なんだけど、バレットの代わりに鬼火と組み合わせられそうな火属性攻撃の特技あればいいのになぁ」


 火属性攻撃が覚えられればベストだが、リアとしては強い特技を習得することにこだわっている。

 今、強い特技を得るとなると、先ほどの下層探索で見つけたモンスターの特技チェックをしていくか、他のエリアにいるユニークモンスターを捜索し、火属性攻撃の特技を探すというのが、現時点で考えられる方法だが……。


「雪が降ってる寒いエリアに居るようなモンスターが、火属性攻撃使えると思えないなぁ……」


【サハギン】は火属性が苦手そうだし、オークやサイクロプスのような獣人も火属性が苦手なイメージはあっても、使うイメージが無い。

 可能性としてあるのは、【ベヒーモス】ぐらい。


「なんか情報のあるユニークモンスター、いるのかなぁ……」


 いったんログアウトして、スマホで再び攻略サイトに目を通していく。

 今行けるエリアのユニークモンスターの情報を調べてみたが、火属性特技を使うモンスターは見当たらなかった。


「調べられる範囲では、いないかぁ……」


 通常モンスターでは、多少使うキャラもいるようだが、今のリアは圧倒的な強さの特技以外に興味が持てなかった。

 そうなってくると、先ほどの【アイスワイバーン】のように、攻略サイトでも分かっていないようなユニークモンスターを探すしか方法はなさそうだ。


「来週からはちょこちょこバイトが入ってるから、これまでみたいにたくさんプレイ時間が取れないしなぁ……。しかたない、今回のイベントで火属性コンボ技とかは諦めるかぁ」


 ひとまず【鬼火】は残して、【ポイズン・バレット】の代わりに入れる特技を探すことに専念だけすることにした。


「イベントまでにやることは、レベルを30まで上げること! 後は、アミに渡す用の素材集めをしつつ、もう一つ何か強い特技を探すことだね!」


 今後のプランが決定したので、今日はこのままゲームを終了し、明日から少し入っているバイトに備えて、早めに休むことにした。



 次の日。

 バイトから帰宅すると、早速ログインした。


「また雪原方面に行こうかな……。倒せるなら、サハギンを倒せるようなら、そこでレベルを上げるかぁ」


 何気に戦闘をしているようで、モンスターを倒すということをしなかったので、レベルは25のまま全く変わっていない。

 比較的高価なアイテムを落とす格下モンスターを、地道に倒してもいいのだが、バイトなどのリアルの事情で、時間が足りなくなることも、リアは考えた。

 強い【サハギン】に、リアの持つ【アイスマター】か【メテオ・ストライク】でちゃんと倒せるのかも、気になっている部分ではあった。


「よし、じゃあ行きますか!」


 相変わらず全く人のいない下層から、雪原方面へと向かう出入り口へと向かう。

 また、初心者を守ろうとするプレイヤーに呼び止められたが、今回も適当な返事をしてそのまま街から出た。


「どうなるか分からないから、煙幕を張って先に攻撃を仕掛けられるようにはしておいた方がいいね」


 特技でどれだけ大きなダメージが出せても、今のリアのステータスはかなり低いので、AGIで先手を取られると、分身を張る前に力尽きてしまう。


 煙幕を張りながら慎重に進んで行くと、頭から背中にかけてヒレのついた魚人がゆっくりとあたりを徘徊している。

 ターゲットを先に合わせてから、【イリュージョン・カウンター】を展開させる。

 まだ【サハギン】はこちらに気が付いていない。


「このままやっちゃえ! メテオ・ストライク!」


 軽く念じて、【サハギン】に目掛けて隕石を叩き落す。

 隕石が直撃した【サハギン】は、勢いよく吹っ飛んで消し飛んでいった。


「ふ、普通に倒せちゃった……」


【サハギン】はそれなりに特技やステータスが書かれていたのだが、誰も倒せなかったのか、HPに関してはまだ不明なままだった。

 もしかすると【メテオ・ストライク】一発では無理なのでは……とも考えていたが、あっさりと倒してしまった。


「誰も倒せていないサハギンを倒した……ということは、イベントいけるかもしれない……!」


 消費MPもない上に、問題のチャージ時間を気にする必要もないので、煙幕で気づかれないように接近してから、【サハギン】を倒していく。

 途中から余裕も出てきて、まずは【イリュージョン・カウンター】を展開して、分身が無くなるまでは、アイテム盗みを試みながら倒していった。


「鋭いヒレ……。サハギン達って、自分の抜けて落ちたヒレ集めてるかなぁ?」


【サハギン】からゲットしたアイテムは、【鋭いヒレ】というアイテムだった。

 見る限りは、彼らのヒレにしか見えない。

 大事に持っていてどうするのだろうかと、気になってしまいつつ、戦闘を続けた。


「ふぃー、やっとレベル30だ!」


 強いモンスターを倒すと、経験値がボーナスで入るようで【サハギン】を20体ほど倒しただけで、レベルが30に到達した。

【イリュージョン・カウンター】が発動できる攻撃二回分までの盗みしか出来なかったので、おそらく通常ドロップである【鋭いヒレ】を2個しか、とることが出来なかった。


「あとはイベントまでにあと一個、有益な特技を身に付けよう!」


 アイテム収集を行いながら、昨日まで触れて行かなかったモンスターたちに片っ端から、盗みと巨大な隕石を一方的に落とす奇襲を仕掛けていく。

 イベントまでの残り期間で、リアが満足する特技には出会えるだろうか。

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