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10話「レグルスタードの街へ」

 村を出てそのまま進み、リアがいつもお世話になっていた森を抜けて、荒野に出ると、そのまま街道沿いに進んでいく。


「ここには、あの犬以外の蜂とか、芋虫がいるだけなんだね〜」

「そうだね。比較的通りやすい感じだね」


 芋虫は特にプレイヤーに反応しないが、蜂はいわゆるアクティブモンスターで、プレイヤーのレベルが低いと、好戦的に向かってくる。

 ただ、リアもアミもここを移動するにはあまりにもレベルが高すぎるので、全く絡まれない。


 しばらく歩みを進めると、大きな城壁とその後ろに大きな建物がそびえ立っているのが見えてきた。


 城門を潜って、レグルスタードの街に入った。

 すると、いきなり人の声と、チャット欄がものすご勢いで流れ始めた。


「ここがレグルスタードの街! この世界で今のところ、一番大きな街。基本的にプレイヤーの活動拠点になってるよ」

「ほぇー……」


 建物の立派さと、あまりにものプレイヤーの多さに圧倒されてしまう。

 迷子にならないように、アミに手を取ってもらいながら、街の中を進んでいく。


「フリーマーケットもあるし、プレイヤーが鍛冶や裁縫をしたりする設備も、ここにはあるよ」

「最新の装備品は、こういうところでプレイヤーが作って市場に流すの?」

「そうなるねー、このあたりは他のゲームと同じだね。その他にも、プレイヤー同士が交流するためのカフェみたいなものもあるよ!」

「ギルド募集とか?」

「そうそう。単純なフレンド募集みたいなのもあるけど、いずれ来るであろうギルドシステムに向けて、人材確保に動いてる人が多いみたいよ」


 アミが施設を紹介してくれているが、どこにもプレイヤーがごった返している。


「まだ今後のバージョンアップで開放されるっていう施設も多いから、今後に期待だね」

「なるほどなるほど。この街の実態が分かってきたような気がする。でも、上にもなんかない?」


 リアたちのいる場所の上にも建物が広がっていて、ちょうど上が屋根のようになっている。


「ここ、レグルスタードは3層に分かれている街なんだよ!」

「3層?」

「上層、中層、下層に分かれてるの! 中層から基本的にこの街に入って、上層や下層から違うエリアに出ていけるんだよ〜」

「こ、構造どうなってるんだろ……」


 立体などの話について、元々嫌いなリアは、この街がどう出来上がっているのか、よく分からなくなった。

 ひとまず今いるのは中層で、上にも下にも街が広がっているらしい。


「さっきも言ったように、まだ開放されてない設備が多いから、中層くらいしかまだ利用する施設ないけどね」

「そうなんだ」

「で、上層から出る高原エリアで、今は大部分のプレイヤーが、クエストやレベル上げをしてるって感じ。下層から出る雪の洞窟もあるけど、モンスターのレベルがおかしすぎて、基本的にはまだ触れる必要がないね〜」

「じゃあ、基本的に下層に行くことはないってこと?」

「そそ。街の下層にも今のところ、設備も少ないしね〜。海に面してるから、魚釣りとかは出来るよ」


 一通りアミから、レグルスタードの街について説明をしてもらった。


「さて、この後なんだけど……。リアはさらに特技を習得していきたいんだよね?」

「うんうん。それもしっかり実用性のあるやつが欲しいよね」


【ポイズン・バレット】はともかく、【バウンス・ストライク】はリアにはあまり実用性がない。

 爽快感はあるが、STRが際立って高いわけではないので、ノックバックは期待出来ないからだ。

 今後、アイテム収集やさらなる特技獲得、あるいはアミと一緒に何かをする時に、しっかりと役立つ特技が欲しいところ。


「そんなリアに、相性ぴったりな特技を持っているモンスター、一体浮かんでいるんだよね」

「そうなの?」

「うん。リアってVIT低いけど、防御手段って無いよね?」

「うん。基本的にDEX依存の回避ぐらいしかない」

「そんなリアに、防御効果のある特技とかぴったりだなって思っちゃって!」

「で、でもさ……。私の場合、特技を受けないといけないからね?」


 コピー能力に関してだが、魔法やブレス系がコピー出来ないということ以外にも、習得出来ないものがある。

 それは、自分自身を守ったりする補助効果を付けるような特技である。

 実際に特技を受け止めないと、コピー出来ないので、モンスター自身にかけてしまうような特技は、習得することが出来ないのだ。


「大丈夫!そのあたりも考えた上で、習得出来ると思うよ」

「本当?」


 そんなリアの不安を聞いても、アミは自信を崩さなかった。


「とりあえず行ってみよ。このレベルなら、絶対に全滅とかしないから」

「う、うん」


 アミに連れられて、レグルスタードの街上層へと足を運んでいった。


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