二人でカフェでお勉強
舞花の寝言を可愛いなあって聞いていて、結局夜更かししてしまった。
その結果、すごい眠い一日を過ごすことになってしまった。
そんな今日の放課後は、舞花と久々に一緒に勉強することになった。
写真の提出も済んだしってことで。
お腹の回復がすさまじいのか学習能力がないのかよくわからない舞花は、カフェでの勉強を希望した。
確かに、駅の北口の前のカフェでは、効率がいいのかは怪しいけど女子高生が楽しそうに勉強をしている姿が見られるし、大学生くらいの人がパソコンでレポートか何か書いているのもよく見える。
僕はそれを外から眺めてるわけね。
今日は現地集合ってことで、目的地のカフェの前に行ったら、カウンター席の端にいる舞花が中から手を振った。
僕は中に入り、てきとうに注文して受け取ってから舞花の隣に座る。
「遅くなってごめん」
「そんな遅くないよ~時間ぴったくらい」
一息ついてからストローをくわえる僕に、舞花が言った。
「昨日私、電話したまま寝ちゃった。ごめんね」
「いや、しゃべれてよかったよ。ていうかなんかキノボリカンガルーの話してた」
「え? キノボリカンガルー? 確かに夢に出てきたかも! てことは寝言か。恥ずかしい~あんまりどんな夢見たか細かくは覚えてないんだけど」
「キノボリカンガルー、調べたら可愛かった」
「そう! かわいいよ。何で出てきたんだっけ夢に。夢って結構忘れちゃうよね」
「うんうん」
どうやら僕と抱きあう夢を見ていたのは、本当に覚えてないみたいだ。
「……もう明後日だね、写真の展覧会」
「まあもう写真は出したから、もうあとは待つだけだな」
「うん」
舞花はうなずき、スマホをいじる。
「お、朝方のそらのフォロワー、結構増えてるね」
「ああ、たしかにそうなのかな? フォロー来たらだいたいフォロバはしてるんだけど、何人くらい増えてるかあんま気にしてなかった最近」
なんていうか、写真を撮ること自体がますます楽しくなってる。写真を人に見られるという現象を楽しむのももちろんしてるけど。でもそれだけを意識してるわけじゃないってことだよな。
高さのあるパフェを上から丁寧に食べ始める舞花。
そのスプーンの動きを見ながら、僕は言った。
「よし、舞花、勉強やろう。食べながらでいいよ」
「お願いします。めっちゃわかんない問題ためて持ってきた」
「全部教えたる……って言ってさらっとできたらかっこいいんだけどなあ」
「ううん。一生懸命教えようとしてくれるのもかっこいいから大丈夫」
「……」
「って言うとちょっと照れる秀映が可愛いのでパフェ一口あげる」
スプーンを差し出す舞花。え、と迷いつつも、おいしそうだし、僕は口を開けて……
「はい、カップルらしいことした~」
嬉しそうにノートと学校配布の問題集を広げ始める舞花。
結構舞花って、僕をちょこっといじるのうまいよな。
なんていうか、僕まで面白くなってしまうような雰囲気になる。
そんな雰囲気を作ってくれるから、勉強が始まっても退屈な雰囲気が入り込んでこないのかも。
僕の大好きな舞花の魅力は、そんなところにもあったりするってことだ。
お読みいただきありがとうございます。
7万字を超えました!
ゆったりしていて、さらに文章が未熟&誤字脱字あるっていう状態な本作をここまで読んでくださり、本当にうれしいです。感謝しております。
本作の今後ですが、6章で写真展+その後を描いて、その後7章で描き残したこと(どんな話かはお楽しみ)を描き、そして完結にしたいと思っております。
作者が描きたいことを結構色々乗せている本作ですが、もしよろしければ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。




