舞花の着替え、朝ごはん
僕はごそごそとした物音で目が覚めた。
もう朝か……舞花は隣に……あれ、いない。
首を起こして見回すとと、舞花が少しドアの開いた洗面所にいた。
「あっ」
舞花が僕に気づいた。
「あ、おはよう」
「せ、先輩……」
舞花の様子がなんかおかしくて、なんでおかしいのかなーと思っていたら、
あ。
舞花、下半身に、下着しか履いてないけど。
くまさんの服とは対照的に、なかなか女の子らしい、水色の下着だった。
「ごめんっ!」
「い、いえ、しめますね……」
舞花はドアを焦りながら閉めた。
それから、三分ほどして、舞花が出てきた。
「ジャージとかくまさんの服じゃなくて、こういう服を着てみたいなって思いまして。先輩、ちょっと驚いてくれるかなって思ったんです。でも中途半端なところを見られてしまいました……」
そう言う舞花は、水色のワンピースを着ていた。そして水色のシュシュで髪を束ねて、水色のヘアピン。
まるで今にもお花畑の上を舞いだしそうだ。
「す、すごい。全部水色なんだね。綺麗だよ」
「ありがとうございます! あ、ちなみにさっき先輩もご覧になったかと思いますが、ぱ、ぱんつもみずいろですっ!」
「無理して開き直らなくていいよ……ほんとごめん」
「……思ったよりも恥ずかしいし、開き直ろうとしたらもっと恥ずかしくなっちゃいました……」
舞花は指でワンピースのひらひらをつまみ、下を向いた。
恥じらってる舞花、可愛すぎる……。
「朝ごはん、食べに行く?」
「あ、食べに行きます!」
「じゃあ僕もちょっと髪を整えたりしないとだからちょい待ちで」
僕はベッドから立ち上がった。
「先輩、結構な寝癖です」
「マジ?」
「はい。でもなんかそのままでも可愛いですね」
「あ、可愛いんだね」
「はい、なんか新しいタイプのリボンを乗せてるみたいです」
「そんなに飛び出してるのか……」
鏡の前に行くと、確かにすごい髪の毛の状態だった。
その寝癖を直したのち、朝ご飯に出発。
当然のようにどこでも使える朝食券を舞花は取り出した。
「おいしい朝食バイキングがあるので、そこに行くのはどうですか?」
「おお、行こう行こう」
やっぱりバイキングは人気みたいで人が結構並んでいた。
そんな中、トレーに置いたお皿にどんどんと料理を入れていく舞花。
料理の種類は結構多くて、僕は五割くらいの確率で料理を盛ってるんだけど、舞花は全種盛っている。
「さて、全部取れました。二周目は特に美味しかったのだけでいいですかね」
「あ、二周目もいくのね」
「あ、はいそのつもりだったんですが……私って食べ過ぎなのでしょうか? なんかアニメのよく食べる女の子とかの描写を見ていても、あれくらいなら私もお腹空いてたら食べるかもって思う時がありまして」
「食べ過ぎってことはない、美味しかったらそれでいいと思う」
「で、でも太っちゃう……や、やっぱり先輩と同じくらいの量にしときます! だから先輩はもっとたくさん朝ごはん食べてください!」
「ろ、論理がなんかおかしい……」
でも舞花がたくさん食べるのにつられそうっていうのはあるので僕ももう少し食べようかな。
そう思って、また料理を取りに行く僕だった。




