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一緒のお布団で、少しくっつく

「本当に綺麗でしたね」


「だったな」


 舞花と僕はたっぷり星空を見てから部屋に戻ってきていた。


「眠い……です」


 舞花はベッドに横になって、ゆっくりと伸びをした。


 確かに今日はとても充実しすぎて疲れた。


 歯磨いてから寝るか。


 僕は洗面所に行った。


 そして洗面所から帰ってくると、僕のベッドの上で、ホテルの真っ白な枕を抱えた舞花がこちらを見ていた。


「先輩……こっちで寝てもいいですか?」


「え? ま、まあいいよ」


 お、同じベッド? 舞花と? え、え、それは舞花を意識してしまって寝れないかもしれない。


「やったです! だってさっき星空を眺めた時に比べたら、ベッド同士が遠すぎます」


「まあさっきは、すぐ隣だったもんな」


「はい……なんだか幸せでした」


「うん、そうだったな、僕も」


 僕はベッドに腰かけた。


 そしてベッドの、落ちない程度の端に寝そべる。


 舞花も反対側の端に横になった。


「もう少し……真ん中に行ってもいい?」


「はい。あの、私も、もう少しそちらによってもいいでしょうか?」


「うん、もちろん」


 そして少し僕は舞花の方へよった。


 そして向こうもよって来た。


 あっという間に、もう身体が少し触れているくらいのところだった。


 ほっぺがすぐ隣。


 脚もぶつかりそう。


 もう星を見た時よりも近くて、だけど僕も舞花も動かずに、ちょっとだけお互いを見つめた。


 舞花の髪の香りは……なんだかゆるりと安心してしまうような感じだった。


「電気、消すね」


「ありがとうございます」


 消すと、外からの月と星の光、街灯の光。


 そんな小さな光だけが、舞花と僕の空間に入り込んでいた。


 そしてそれ以外は何もなく、だからなおさら、舞花と少しだけ触れているのが、もう全てになりそうだった。


 ……っていうか今、柔らかいものに当たったんだけど……今の、む、胸ですかね。


 僕は少しだけ離れた。


 ほんとに少し。


 だって、あんまり離れたくないし。


 舞花は早速寝てるようで、布団がすごく小さく動いて舞花の息を表現していた。


 僕は天井を見上げた。天井はよく見えない。


 布団の中は、絶対に、いつもよりもあったかくなっていた。


 そんなあったかい布団だから、眠れないなんていう心配は無用のようだった。


 どんどんと眠くなって、僕も、目を閉じた。


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