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お風呂上がりに星を見ましょう

「だいぶ満腹感が消えてきました!」


「まじ? 早いな」


 夕飯を食べてから一時間ほど。


 僕はまだ結構食った感が残ってるけど。


 まあでもだいぶ落ちついたかな。


「先輩、お風呂行きませんか?」


「だな」


「お風呂の隣のところにガラス張りのスペースがあるんです。そこでそのあと星を見てみたいです」


「めっちゃいいな。じゃああれだ、お風呂上がったらそこで待ち合わせで」


「おっけーです」


 僕と舞花は大浴場に向かった。




「じゃ、舞花、また後で」


「はい」


 僕は男湯の暖簾をくぐった。


 お、あんまり人がいない。


 もっとごみごみしていると思ってたから嬉しい。


 とてもゆっくりできそうだ。


 


 と言っても僕はからすの行水的なところがあるので、そこそこ早く上がって、そしてガラス張りのスペースで舞花を待っていた。


 マッサージチェアーは年配の方々が使っていて埋まってる一方、窓際の長椅子には誰も座ってなかった。


 僕はそこに腰を下ろす。


「先輩〜」


 舞花の声がした。


 早いなお風呂。


 特に舞花みたいに髪が少し長めの女の子は、髪を洗うのが大変と聞いたことがあるような気もするし。


「先輩と星を見ながらお話ししたくて、気づいたら早々と上がってしまっていました」


「そうなのか、ありがと」


 舞花から流れ星が流れて、僕に届けられた気がした。


 改めて舞花を見ると、舞花は浴衣……ではなく、くまさんの普段着とパジャマの間? みたいな服だった。


 サイズが少し小さめみたいで、なかなか大きな胸が強調されている。


「ごめんなさい……浴衣の着心地に慣れなくて、着慣れてるものでも先輩なら許してくれると思って……」


「いや許すも何も、最高」


「え、最高なんですか?」


「……いやとりあえず最高と言ってしまっただけ。でもいいなと思うよ」


 うん、とても。

 

 ちょっともこもこの、思わず背中をなでなでしたくなるような舞花だった。


「あ、それでさ」


「はい」


「星が、すごい」


「えっ、うわああああっ! ほんとです」


 隣で感動している舞花がいた。


 隣にいるだけで幸せになるくらいの感動っぷりだった。


「先輩、これもっと暗いところに行ったら、すごく見えると思います」


「外、行ってみる?」


「はい、私もこもこですし、もし寒すぎたら先輩をあっためますね」


「おお」


 無邪気に言う舞花だけど、僕をあっためるって、抱きついてくれるのかな……。


 もちろん一瞬であったまる自信はあるんだけど。


ここまでお読みくださりありがとうございます。

ここのところまったり進んでいますが、web小説ですし、あまりだらだらされたら困るという方もいらっしゃると思いますので、今後の指針を書いておきます。

主人公と舞花のお泊りが二章になります。ここはまったりです。その後、三章で物語が動き出し、そしていったんそこで物語がひと段落します。

そのような予定です。よろしくお願いいたします。

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