最終話 再会
「ここは・・・」
白い天井、消毒臭い空気。
「先生!目を覚ましました!」
ナースが俺の状態を見て、何やら叫んだ。
俺は交通事故にあい、一カ月間目を覚まさなかったらしい。
そういえば、俺が水無月を助けたんだっけ?
まぁ、もうどうでもいいや。
「それにしても・・・何故。どうして俺は生きている?」
確かにあの時、グレイスに胸を斬られた。
奴は死んだか、俺も死んだ・・・・そういえば、アリアさんも死んだ時、光になって消えた。
俺もだ。
あの時の感覚はよく覚えていないが、光になったんだ。
「どういう・・・いや・・・」
今更どうでもいい。
サクヤはいないんだ・・・・・もう、いい。何もかも。
「優斗っ!」
病室に入って来たのは水無月綾乃だった。
涙目で俺に抱き着く。
「おいおい・・・痛いぞ」
「もう!バカ!なんで、私なんか助けて・・・」
「まぁ・・・何、単なる気まぐれだよ」
検査をして、俺は学校に戻った。
「ねぇ・・・優斗なんか雰囲気変わってない?」
「体格はそのまんまだけど・・・確かに」
「帰還してきた兵士みたい」
などなど、俺に対する評価は大分違っていた。
まるで俺を一人腫物扱いだ。
誰も近寄って来ないが、一人だけ変わらない奴がいた。
「ねぇねぇ、一緒にお弁当食べようよ」
「お前キャラ変わって来ていないか?」
「ふ、副会長として、長期休みしていた生徒へのバックアップだよ」
「あっそ」
こうしていても、サクヤはもういないんだ。
あの世界には、決して戻ることは出来ない・・・・。
そもそも、あれが本当にあった世界なのかも分からない。もしかするとすべてが夢だったのかもしれない・・・そう思うと涙が止まらない。
次の日の朝のHR。
教壇に先生が上がり、挨拶を始めた。
また同じいつもの日常。何も変わらない。
「えー、それじゃぁ、入って」
と、転校生が教壇の上に上がって名前を書く。
「初めまして・・・」
その透き通った、懐かしいその声。
俺はその転校生の顔を見た。
「青島咲夜です。よろしくお願いします」
・・・・・。
「サクヤ?」
血が熱くなる。
止まっていた時が再び動き出したかのように。
「久しぶり。ユウト・・・・・」
「バトルフロンティア」を最後まで読んでいただきありがとうございました。今振り返ると、自分自身途中で失踪してしまうんじゃないとか思っていました。しかし、何とか最後まで辿り着くことが出来ました(/・ω・)/今は、ゾンビ系を書いています。是非、よかったらそちらもお願いします。\(゜ロ\)(/ロ゜)/また何処かでお会いしましょうww




