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バトルフロンティア  作者: ぞえ
激動編
30/35

第三話 氷雷

遅くなりましたww



 廊下の突き当りの扉を開いた。

 順番的にはギリアが来るだろう。

 そんな予感は的中し、目の前にはギリアが立っていた。

 

「なるほど、シンを倒したなら、それ相当の実力の持ち主なんだな」

「チートをくれる神様なんていない・・・と、思っていたよ。若干、詐欺っぽくなってきたが、俺は負ける訳にはいかないんだ」


 ギリアは数発の魔力弾を撃って来たが、全て槍で防ぐ。


「へぇ・・・下手な小細工は無意味ってか?いいだろう・・・見せてやるよ。俺の本当の姿を!」


 ギリアの体は徐々に雷を帯び、体が発光し始めた。

 体全体が黄色へと変化した。


「ふぅ・・・・・」

「あんたは、闇魔法しかないかと思っていたが、本当の姿を隠す、カモフラージュだった訳か・・・」


 雷か・・・。


「この姿になるのも久々だ・・・精々、生きてくれよ」


 次の瞬間、奴の姿が消え、腹に一撃膝蹴りを食らっていた。飛んだ先に一瞬で移動し、背中にタックル。空中に投げだれた瞬間、真上からの踵落とし。


「がはっ!」


 流れるような連続技に翻弄される。


「消し炭になれ!『ヴォルト・スパイラル』」


 放たれた莫大な雷の渦が俺に向かって放たれた。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!『氷花』」


 氷の花の盾。


「くだらん!」


 一瞬で粉砕され、俺を雷が覆った。






「ふん・・・・・やはり、俺の全力攻撃に耐えうることは出来なかったようだな」


 ギリアが一歩戻ろうとした時だった。

 体の、周辺の環境の変化に気づく。

 体が上手く動かないのだ。

 いつも通りであることは間違いないが、何故か前に進みにくい。


「どうなって・・・・・」


 辺りを見渡す。

 

「氷?」


 見れば、足元には氷が床を侵食していた。

 天井も、壁も。

 

「まさか・・・まさか・・・・・」


 奴は恐る恐る後ろを振り向いた。


「よお?ビビって腰でも抜かしたか?」

「なっ、何だそれは!」

「ラスボスにでも残しておきたかったんだがな・・・いわゆる卍解って奴だな」


 氷の床をコツコツと歩く。

 氷で形成された巨大な翼を広げる。


「『氷燐・蒼羽歳月』」


 氷槍を構え、一気に距離を詰める。

 ギリアはそれを両手で受け止め、弾き返す。


「そんなものかっ!『雷龍撃』」


 全身から吹き出した雷が龍になり、襲って来た。

 落ち着け、一点だ。一点に集中しろ。一撃だ。一撃で十分だ。

 腰を低くして槍を構える。


「『氷結・零氷槍』!」

 

 射程距離約四百メートル、貫通力最大の一撃。


「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」


 一閃。

 蒼い一閃が雷とギリアを貫いた。

 ギリアは床に倒れ、天を仰ぐように手を伸ばす。


「何故・・・何故邪魔をする」

「何故だろうな・・・俺によく分からん。ここに来て、色々なことがあった。流されるまま生きて来た。だけど、これだけは分かる。あいつを・・・・サクヤを守る。戻れなくてもいい。俺が生きている間は、絶対・・・絶対だ!」


 どれだけの対価を払おうと、俺は守って見せる。

 もう守られるだけの関係じゃ嫌なんだ。


 そうして、俺は次の最後の扉を開けた。




もう直ぐ、終わりそうです・

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