第二話 氷魔
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「『氷結槍』」
俺は巨大な氷の槍で牽制した。
その隙にサクヤやケイジさん達の元へ行く。
「サクヤ・・・待たせたな」
「嘘・・・だって、私が、私が・・・・」
「違う。俺は死んでなんかいない・・・いや、一度死んだ。だけど、こうしてここにいる。幽霊でも何でもない。俺はここにいるんだ。生きて、生きて元の世界に戻る」
「・・・・・・・・」
「だからさ、あいつらちょっとブッ飛ばしてくるから、ここで待っててくれ」
サクヤの頭をクシャクシャと撫で、俺はグレイス達と対峙した。
「なるほど、素晴らしい。最高だ・・・最高だよ!」
グレイスは笑う。
「その力が本物なら、俺はこの洋館の奥で待っている」
そう言ってグレイスは洋館の奥に消えて行った。
「・・・・・・」
俺は洋館に近づく。
「ねぇ、ユウト」
「ん?」
「負けないで」
「大丈夫、全部、終わらせてくるから」
そう言って、俺は洋館の中に入って行った。
中には奥へと続く暗い廊下が続いている。
壁には不気味な絵画が飾られている。
「・・・・・・この感覚は・・・」
奥の部屋を入ると、シンが立っていた。
部屋は大きなホールだった。
「まさか、生きていたとはな。割とショックなんだが・・・・・」
フードの奥の瞳が怪しく光る。
「だがな、俺はそれを自分のものにしたんだ」
左腕をアクマ化させ、見せる。
「なるほど、そういうことか。ならば、もう一度殺すまで」
シンは大鎌を構えた。
俺も槍を構える。
「ふぅ・・・・・・・」
次の瞬間、俺とシンは同時に飛び込んだ。
鎌と槍が弾き合う。
「っ!強い・・・その力がそこまでお前を強くしていたとは・・・だが!『デスサイズ』!」
大鎌が黒く染まり、強化される。
その一振りは強烈なもので、ホールの床を抉り取った。更に闇の斬撃を放って来る。
「っ!」
「『ダークホース』」
二体の黒い馬を召喚し、突撃して来た。しかも、俺が地面に着地した硬直を狙った攻撃で反対策が取れず、体当たりを直撃する。
「がっ!」
壁に叩きつけられ、床に落ちる。
「はん?そんなものなのかっ!」
斬撃が更に放たれ、次々と闇魔法を打ちこまれる。
ドゴコンッ!ズシャァンッ!ジャァッ!
爆音と、壁や床が破壊される音が当分続いた。
「・・・・・・殺ったか?」
次の瞬間、氷のアートが出現した。
「『氷結槍撃』」
氷を纏った重い一撃。
「っ!」
シンは咄嗟に大鎌でガードするが、思いっ切りブッ飛ばされた。壁に叩きつけられる。
「人間如きがっ!」
シンは直ぐに飛びかかって来た。が、
氷の魔法陣が三重となってシンを拘束した。
背中を向け、冷たく言い放った。
「お前の敗因はその人間を舐めすぎていたせいだ」
「ふっざけるなっ!俺は死神なんだぞ!俺が死ぬんじゃねぇ!俺が決めるんだっ!」
俺は次の扉へと向かい、氷魔の魔法が完成した。
「その態度だよ」
次の瞬間、を中心とした巨大な氷が出現した。
当然、本人は氷漬けになる。
「砕け散れ『氷河絶襲』」
巨大な氷は次に粉々に砕け散った。
クライマックスです




