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バトルフロンティア  作者: ぞえ
覚醒編
26/35

第七話 激戦

ありがとうございます。



 その頃、連合軍上陸部隊は戦艦を一隻失いつつも、ガルディオに上陸した。上陸すると、アクマ達との激戦が開始された。


「進め!第一、第二魔道連隊は大規模支援魔法用意!第五、第七騎馬隊前進!」


 騎士達が、魔道士達が己の命を賭けて、決死の攻撃を繰り出していた。


「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 紅の二本の剣がアクマの体を貫いた。

 サクヤは先行部隊と共に敵陣に斬り込んでいた。その周りには独立小隊がいる。

 更に後方から支援魔法によって戦況は連合軍側が有利にことが進んでいた。


「残すは、敵陣地のみか」

「かなりいい感じに進んでいますね」

「サクヤ、油断は禁物だ。最後の最後で何を仕掛けて来るか分からん。気を付けろよ」

「はい」


 すると、敵陣の真ん中に一軒の洋館が見えた。

 

「あれが・・・」

「恐らくあれが本拠地だろ。全部隊、あの洋館に向かって突撃開始!」

「「「「おおおおお!!!」」」」


 兵達の激動が大地に木霊し、全軍が突撃し始めた。

 それに対して洋館の中から二人の男が現れた。シンとギリアであった。


「ちょっとここまで来てるのは予想外だったかなぁ・・・けど、連合軍には悪いけど、ここで全滅してもらう」


 ギリアはそう言って魔力の塊を撃ち始め、シンは片っ端から兵士達を斬りかかる。

 

「弱い・・・弱い・・・・・」


 戦闘開始して十分、シンの周りには大量の死体が転がっていた。

 兵士達は皆シンの強さに恐怖を感じていたが、一人の兵士は違った。


「『火炎竜輝』」

「!」


 炎の龍がシンを襲うが、それをギリギリで回避する。

 地面に着地し、サクヤを睨む。


「なるほど、人間の中にも強い奴がいたのか。あの、ユウトとかいう男とは大違いだな」

「なっ!お前!ユウトを知っているのか?」

「・・・・・何言ってんだよ。あいつの左腕を解放したのは、俺だぜ?」


 次の瞬間紅の斬撃がシンを襲う。

 

「っ!」

「『双火』」


 炎の業剣がシンを追撃する。

 

「なっ、始めに感じていた魔力とはケタ違いの強さ。おもしろくなってきたぁ!」


 シンも本気を出し始める。


「我が名は死神。再びその力を呼び戻し、全てを無に戻せ『アッシドレイン』」


 黒い雨が降り始める。


「この雨は・・・っ!」


 サクヤの体がガクりと下がる。

 

「魔力が・・・・」


 ほんの少しずつだがサクヤ、この島にいる者達から魔力が漏れ始めていた。


「気付いたようだな。そう、この雨は相手の魔力を吸い続ける」

「長期戦は不利!」


 サクヤが弱る度にシンの力は少しずつ強くなっていく。


「『ジャベリン』」


 闇の槍が地面から襲い、後退する。が、追い討ちをかけるようにシンの巨大な鎌がサクヤを襲う。

 僅かな力の差が少しずつ開いて行く。

 

「っ!お前がユウトを!許さない!」


 サクヤの体が少しずつ燃え始める。


「私の魂を燃やし、より強い力に『煉獄魂』」


 力の差が埋まり、シンとサクヤが同等の力になる。

 

「一気に決める!」


 炎と闇が衝突する。

 それを、ギリアが他人事かのように見ていた。

 右手を上げ、魔力を溜める。


「おっと、それはやらせねーぜ」


 ギリアの前に現れたのはゼスだった。

 

「・・・やめておけ、お前では俺を倒すことは出来ない」

「それは、どうかな?」


 次の瞬間ギリアの上から巨大な水蜘蛛が出現した。それも一匹ではない。何十という水蜘蛛が至る所から出現した。


「奥義『大海蜘蛛』」

「・・・・・・・・」


 一斉に水蜘蛛はギリアに向かって突撃し始めた。


「それで、お前が来るなんてな」


 洋館の一室。

 グレイスに剣を向ける一人の男がいた。

 ケイジだった。


「ユウトの仇、討たせてもらうぞ」

「・・・仇ね。まぁ、待て。ユウトならもうじき来るぞ」

「どういうことだ?ユウトは死んだはずじゃ・・・」

「・・・・生きてるかどうかは知らないがな」


 その言葉を掻き消すかのように、ケイジの斬撃はグレイスを襲った。


この物語もクライマックスに近づいてきました。

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