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バトルフロンティア  作者: ぞえ
連合軍騎士編
13/35

第三話 テスト

ありがとうございますww




「いいか?今回は新人ユウトの入隊テストを行う。そして、以後このテストは行わない」

「えっ!」

「サクヤ。ずっと言いたかったことだ。お前が何を思うおうと構わない。だが、ここから先の戦いは二人じゃ無理だ。それに、ここには王国の推薦で来ているんだ。毎度毎度、手続きが面倒だ!ので、ユウトだけテストを行います」

「・・・・はぁ」

「何だ?不満そうだな?ユウト」

「何でもありません!」


 俺は叫ぶ。


「よし、コカトリスはこの先だ。死ぬなよ」

「了解!」


 槍を握り締めて走り出す。すると、サクヤが言った。


「私はユウトが勝てるとは思ってない。けど、死なないで」

「・・・・大丈夫。俺は勝つから」

「・・・・・・」


 それだけ言うと、俺は林の向こうに消えた。

 コカトリスは全長六メートル程の鶏が黒くなったような鳥だった。


「でか・・・・・・・」


 想像していた以上にコカトリスの威圧感は尋常ではなかった。


「行くぞぉ!」


 七十七式突撃槍を構え、突撃する。

 それに反応してコカトリスも向かって来た。俺はその大雑把な正面からの突進を回避、脚を横に斬った。が、思わず弾かれる。

 何か硬い物を叩いた時に手にジ~ンと来る痛いやつだ。


「うおっ!」


 反動で後ろに仰け反る。それを絶交のチャンスと見たのか、コカトリスはその鋭い口ばしで攻撃して来た。

 直ぐに槍でガードするが、衝撃がビリビリと来る。

 バックステップで間を取る。


「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・」


 強い。

 普通なら、この辺で神様とかにチート的な能力をもらえる予定なんだけどな・・・・。


「はぁっ!」


 今度は正面から奴の口ばしを受け弾き返す。隙を見て胸のあたりから上に向かって斬り上げる。

 

「キァァァァァァァァァァァッ!」


 コカトリスは悲鳴を上げながら後退する。


「よし、このままっ!」


 そのまま間合いを詰めて追撃しようとするが、コカトリスは強烈な一撃を俺の直ぐ目の前に食らわせる。俺は一旦後ろに下がるが、今度はコカトリスが追撃を仕掛けて来た。


「くっ!」


 攻撃の数が多過ぎで防御し切れない!

 コカトリスは一瞬飛び上がって前脚で攻撃をして来た。


「せいっ!」


 槍を横にしてガードする。

 コカトリスは全体重を上から俺に向かって押し付けて来た。


「重っ!」


 体がギシギシと悲鳴を上げ、地面に少しばかりめり込む。

 痛・・・こんなの耐えられん。

 ダメだ!ここで負けられない!

 俺は生きる。生きて帰る!だから、こんな所で死ねないっ!


 俺は渾身の力を振り絞ってコカトリスの下から退いた。


「鳥野郎がぁっ!」


 次にコカトリスが口ばしで攻撃して来た瞬間口ばしを斬った。

 コカトリスは大きく後ろに仰け反った。

 次は追撃を行わず、こちらも体制を整える。


「ふぅ・・・ふぅ・・・ふぅ・・・」


 焦るな。慌てるな。目を開け。相手の動きを見ろ。

 精神を統一し、無駄な力を抜く。

 そして、ゆっくりと槍を構えた。









「隊長・・・」


 数十メートル離れた木の上からサクヤとゼスは待機していた。

 二人はユウトの戦闘を監視していた。


「ああ、流石元帥が押してただけある。今はそう強くないとしても、かなりの逸材に違いない。まるで、お前みたいだな」

「隊長!まぁ・・・これで、認めてやってもいいけど」


 サクヤはそう呟いた。










 俺はスッと目を閉じる。

 この一撃に全てをかける。


「我、幻想を打ち砕き、刹那の刃と成らん」


 コカトリスが突撃して来た。

 俺は焦ることなく、槍を構える。

 目を見開いた。

 

「らぁぁぁぁっ!」

 

 体が加速し口ばし攻撃を回避する。そのままコカトリスの体を横から薙ぎ払った。鋭い刃が分厚い肉を斬り裂いた。

 真っ赤な血が地面に付着し、コカトリスはその場に倒れた。

 俺は首を槍で貫いてトドメを刺した。

 

「どうだ・・・・この野郎」


 今の技は加速魔法。一瞬だけだが自身のスピードを上げる魔法である。俺の唯一の必殺技とも言っていいかもしれない。


 槍を地面に突き刺し、俺はその場に倒れ込んだ。

 上を向けば青い空が広がっている。それに黒髪の少女が映りこんだ。


「やったぞ?」

「明日から忙しいよ」





ありがとうございましたww

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