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種族:人間ではじまるクソゲー攻略! ~レベルとスキルで終末世界をクリアする~  作者: 灰島シゲル
【第二部】 幻想の青年と黎明の影

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五周目・早朝 エピローグ



 ボロアパートで目を覚ます。

 それが、どんな事実を意味するのか考えなくても分かる。



「……五周目」



 強化周回の発動による五周目。

 ルナティックモードのボスを倒し、死にかけながらも掴み取った四日目への切符。

 その切符はビリビリに引き裂かれて、もう俺の手元には残っていない。



 ――俺は、四日目を迎えることが出来なかった。



 いや、正確に言えば。

 四日目以降の俺の存在は、()()()()()()()()()()()()()()()


 それはつまり。

 この強化周回を使い、クソゲーを攻略する期間はたった三日に絞られたことになる。



「ふー…………」


 息を吐いて、眉間に深い皺を刻む。

 可能性として考えていた限りで最悪の結果だ。



「この世界は、一周目の世界だったか……」



 ……一周目。

 幾度となく繰り返される世界の中で、今の俺という存在が出来上がるに至った世界。

 この世界に存在するユウマは、言ってしまえばかつての俺で――。

 あのユウマが辿る足跡は、かつての俺の足跡だ。


 俺の持つスキル――【星辰の英雄】が種族のラストワンボーナスというその事実がある限り、この世界の種族:人間を持つプレイヤーは必ず四日目の深夜には命を落とす。


 強化周回という特殊スキルを使用して、俺は、この世界に無理やり存在することを許されている。

 だが、四日目と同時にこの世界のユウマが種族のラストワンボーナスを取得するため――言ってしまえば()()()()()辿()()()()()、この世界は……。この世界には本来存在していない、幻想ともいえる存在である俺を、四日目になると同時にこの世界から消し去るのだ。



「…………いや、そもそも。この世界が一周目の世界だってことは、三周目のあの時に分かったこと、だな」


 あの時に流れたアナウンス。

『同一人物との接触を確認』という言葉と、発動した強化周回に、一度は俺自身が一周目ありきの存在だから強化周回が発動したのだと考えた。



 強化周回を所持した俺は、この世界のユウマと顔を見合わせることは許されない。



 それは、なぜか?


 ……答えは、簡単だ。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



 〝同一人物との接触〟なんて、同じ時間軸上に同じ人物が存在することはありえない――なんて、タイムパラドックスじみた言い方をあのアナウンスはしていたが、違う。


 単純に、あの時の俺が強化周回をしていた俺を見ていないから。

 かつての俺にはない出会いが起きてしまったから、あの時、強化周回は発動したのだ。



「………………」



 深く、深く息を吐き出して頭を抱える。

 たった三日。

 たった三日で、何が出来るというのか。


 ゲームクリアを目指すには圧倒的に日数が足りていない。

 もはや、ゲームの体を成した詰みでしかない状況だ。



 直接アイオーンをぶちのめせば、もしかすればこのゲームを終わらせることが出来るのかもしれないが……。

 今の俺じゃあ、圧倒的にレベルもステータスも足りていない。



 それじゃあ、アイツと渡り合えるレベルになるまで、永遠とこの三日を繰り返すか?



 ……できなくはない。

 ただし、アイツの言う俺の〝何か〟を捨て続ければ、だが。



「……いや、まず前提としてだ。強化周回が発動する条件がまだ分かってない。無事に三日という期限をフルに使えるかどうかも分からないんだ……」



 どの行動がセーフで、どの行動がアウトなのか。それすらも分からない。

 ただ今のところ分かっていることは、この世界の俺と顔を合わせてはいけないということと、任意で発動できるスキルだということだけ。


 あのクソ野郎のことを考えても、強化周回が強制発動する条件はいくつもあるだろう。

 迂闊な行動を取れば、すぐに次の周回が始まってしまう。



「…………まずは、強化周回が発動する条件から……探るか」



 無理やりに、自分を奮い立たせる。

 限りなく詰みに近い状況だが、まだ詰んでいない。


 まずは、強化周回が強制発動する条件を探る。


 その条件さえ分かってしまえば、もしかすれば四日目を抜ける手立てが見えてくるかもしれない。



「――っと、そろそろ出るか」



 バタバタと聞こえ始めた階上の音に、俺はすぐさま行動を開始した。

 このまま、この状況に憂いていても何も進まない。

 無駄に俺自身に見つかる可能性が高まり、意味もなく強化周回を繰り返す回数が増えるだけだろう。



 俺は、アパートの扉を開けて五度目の黄昏の世界へと足を踏み出す。

 これから始まるゲームの開始を知らせる黎明の光が、崩壊した街に長い影を伸ばしている。


 ……これから何度、俺はこの変わらない光景を眺めることになるのだろうか。


 時間の牢獄に囚われたことは明白だ。


 だが、それでも。

 俺は、このクソゲーを攻略する。いや、攻略しなければならない。



「……俺を、舐めるなよ。こんなことじゃ諦めない。絶対に、このゲームをクリアしてみせる」



 吐き出す言葉に、答える人は誰もいない。


 だが、それでもいい。

 これは、俺の戦いだ。


 誰にも知られることのない、俺だけのクソゲー攻略だ。


 この存在が例え幻想だろうとも。

 俺という人間は、そのためだけにココにいる。




種族:人間ではじまるクソゲー攻略! ~レベルとスキルで終末世界をクリアする~


これにて、第二部 第一章は完結となります。


クソゲーから無理ゲーへ、無理ゲーから詰みゲーへと変わりつつあるゲーム攻略。

次回は詰みゲーを攻略するところから始まります。

よろしければ、また読んでいただければ幸いです。


さて、いつものお願いです。

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章終わりでもありますので、今のところこんな感じかなーぐらいの、気持ちで大丈夫です。これまで評価していただけた方も、お気軽に再評価してください。



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― 新着の感想 ―
[一言] 一難去ってまた一難。次々とわかっていく情報。小さな一歩を踏み出せた主人公と新たな出会い。次が楽しみでなりません
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