英雄、色を好むってマジですか?
タクト視点
「どう言う事だ?」
結局禁書庫の文献を読んでもよく分からない。分かった事は客観的な事実だけ。
ノエルは魔族を滅ぼし、国を救った。
そして新しい魔王になった。
ノエルはパズスの様に人間を襲ったりはしない。
しかし魔王になった途端森に移り住み、瘴気の森、魔王の領域を作り出した。
その瘴気はいつか世界中を覆う事になる。
これはパズスが魔王だった時以上の脅威だ。
だがノエルが世界を滅ぼそうとしているなんて、どう考えてもおかしい。
ちゃんと話して理由を知らなきゃ。
その為にはノエルの作った結界を破らなければならない。その方法は分かった。
ロンギヌスの槍だ。
禁書によるとロンギヌスの槍は、魔王のあらゆる呪文、力を弱体化させるとのことだ。
ロンギヌスで魔王を倒した時には魔王の称号の引き継ぎは起きず、そのまま消滅する。もちろん魔王の復活は起こらない。
つまりロンギヌスの槍を発動させれば結界は容易に破壊できるはず。
「でも今まで一回もロンギヌスの槍を発動した事ないんだよな。どうやって発動すればいいんだろ。やっぱりスキルレベルかな?」
つい心の声を口に出してしまっていたらしい。その声を聞いて、エリザ様が俺に言う。
「ジェイド様はロンギヌスの槍のスキルレベルの上げ方をお知りになりたいのですか?」
「まあそうですね」
「でしたら、私分かるかもしれません。神話に登場するロンギヌスの槍の勇者は多くの女性の仲間を見つけていきました」
「ふむふむ」
「そして勇者は何故か女性の仲間を見つける程スキルが増え、槍の力も強くなっていったのです!」
「えっ!?」
待って、それはつまり女性とアレをナニしてスキルを得れば得るほど聖槍のスキルレベルが上がるって事!?
「ですから、強い女性の仲間をたくさん作ればいいのです!」
不本意ではある……だが試してみる価値はありそうだ。
「よし、そろそろ帰るか」
「はい♡」
はい?もしかして一緒に来る気か!?
「いや、駄目ですよついてきちゃ。エリザ様が城からいなくなったら一大事ですから」
「エリザ様ではありません。エリザです。そして私はジェイド様の所有物なのでジェイド様のお側にいるのは当然かと」
「参ったな」
俺が頭を抱えていると、突然禁書庫に誰かが入ってきた。
「禁書庫の結界がいきなり消えたと思えば、これは驚いた!ジェイドにエリザ」
国王様!?
「やばい!」
流石に俺を魔族だと思っている王様と呪いにかかった姫を一度に相手にする余裕は俺にはない。
調べるべき事も終わっていたので、身体強化の魔法を使い、一瞬でその場から逃げ出した。
エリザ姫はジェイドが消えさると王様に強く呼びかけた。
「お父様!違います!ジェイド様は!!」
「いや、分かっている。というか今分かった。この禁書庫には結界が張ってあった。王族とロンギヌスの槍の持ち主しか入れない結界をな。やはり私の目に狂いは無かった」
そう言いながら、王は深いため息をついた。
「ジェイドが魔族という誤解は解いておかなくてはな。そして今応接間で笑いながら飯を食っているあの鑑定官に、何故ジェイドが魔族などという嘘をついたのか厳しく追求せねばなるまい」
タクト視点
俺は無事に王宮を脱出しゴチンコのギルドに戻ってきた。
王宮で魔族と間違えられたのでジェイドがお尋ね者になるかもしれないという話をしなくてはならない。
「みんな、戻ったけどちょっとまずい事に……」
「おおー!おかえりーたくとー」
「あれ?リナだけ?」
今日はギルドに人が少ない。
「ローラとゴチンコはギルドのようじー。マリサとウランせんせーとアリスはかんたんなおしごとーっていってたー」
「簡単な仕事?仕事って、どこに何をしに?」
「んー。なんかー、たかのつめをつぶしにいくんだってー」
「続きが気になる!」
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