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ジェイドが姫様一筋になっちゃうってマジですか?

エリザ(この国の姫、タクトが助けたルイズ姫の姉)視点


「間違いないあれが勇者だ!」


決勝を観戦し終えたお父様は椅子から立ち上がり興奮して声を上げている。

ああ、あれじゃまた血圧上がっちゃうわ。


「直ぐに話をしたい。今すぐに私の所にジェイドを呼べ!」


「こ、国王様、流石にそれはいささか急ではないでしょうか?」


「何も急ではない!こちらは既にこの国で一番の鑑定スキルを持つ男に王宮に来てもらっている!ジェイドのスキルがロンギヌスの槍かどうか確かめる準備はできている!」


「あっ、ジェイドが手を振ってる途中に倒れました!」


「何!?急げ!急いで王宮の医療班で治療しろ!!」


「その心配は御座いません。ジェイドは大聖女が治療する事になっております」


「あの歴代随一と噂の聖女か!なら安心だ。しかし倒れてしまったなら今日の謁見は無理だな」


「そうで御座います。ですから、予定通り1週間……」


「ならば明日だ!」


「あ、明日?」


「そうだ。明日謁見を行うとすぐに伝令せよ!」


「し、しかしジェイドの方も準備があるかと」


「伝令に緊急事態、故に全ての無礼を許すと付け加えろ!」


「で、ですが、どうしてそこまで無理を言って急ぐ必要が」


お父様は真剣な表情で大臣に話す。


「魔王パズズがノエルに殺され、魔王の権利がノエルに継承されもう10年だ」


「はぁ。そうでございますね」


「ノエルが魔王になってからだ。瘴気の森が生まれ魔王の領域が生まれたのも。おかしな事にノエルは一度も王国を攻めてくる事は無かった」


「た、確かに。あれからこの国は平和そのものです」


「私はもしや魔族との友好を結べる未来が訪れるかもしれんと密かに思っていた。しかし現実は違っていた。魔王の領域は、年々拡大している。そして近年の拡大の仕方は異常だ。数年後にはこの国全てが魔王の領域になってしまうかもしれんのだ!」


「す、数年後?それは当初の計算の何倍も早いのでは!?」


「私が独自に魔法使いと学者に調べさせ導き出した結果だ。大臣たちにも秘密にしていた。この国の存続のために、一刻も早くノエルを討伐するしかないのだ!」


難しくてよく分からない話。

きっとワラワには関係のない話ね。

でも明日あのジェイドが王宮に来る事だけは分かったわ。ふふふ。


私のユニークスキル、奴隷使いの最大最強のスキル、『恋の奴隷』


一生に一度しか使えない。

無詠唱でレベル差を無視して行える呪いのスキル。


異性を1人自分に夢中にさせ、一生愛し続ける様にさせるスキル。


これを明日、ジェイドに使ってみせる!

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