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ショートストーリー 決勝直前②

決勝直前 観客席


観戦席で空いている席を探しながら、2人の男が今日の試合について話をしている。


「どっちが勝つと思う?」


「いや、流石に腐食騎士でしょ」


「まぁそうだよな。ジェイドも面白いけど、実力としては腐食騎士が数段上だもんな」


「お、おい、観客席にあるあれ何?」


「ん?」


2人の男は観客席に馬鹿でかい椅子が一つ置いてあるのを見つける。


「何これ?巨人の椅子?」


「巨人族が観戦に来るのかな?」


「いや、巨人族って、この大陸には1人もいねぇだろ」


「ははは。そうだよな」


2人がそんな話をして椅子の近くでたむろしていると、1人の女性がそんな2人に声をかけてきた。


「あ、あの。す、すいません。そこ私たちの椅子で……」


女性は美しい黒髪ロングで、服は非常に仕立てのいいものを着ている。

目はぱっちり、何故か少し潤んだ瞳。雪の様に白い肌、恥ずかしそうに少し紅に染まった頬。通った鼻筋、ぷっくりと可愛らしいピンクの唇。

どれをとっても完璧だ!


2人の男はピンと背筋を伸ばす。


「は、そ、そうだったんですか。すいません」


「あ、あの……」


「は、はい!」


「わ、私の顔や格好、何か変ですか?」


「い、いえ!とてもお綺麗でつい」


綺麗と言われ顔を真っ赤にしてしまう女性。


「し、失礼します」


そう言って足早に、大きな椅子の隣に置かれた普通サイズの椅子にちょこんと腰掛ける女性。

その姿もまた可憐だ!


2人の男は規格外の美しい女性を見つけたことで、ちょっと悪い企みを始める。


「おい、声かけようぜ!」


「だな!あんないい女いないよ」


「でもさ、彼氏いるんじゃない?」


「いや、あのタイプは意外といないとみた」


「まじか!お前のそういう感あたるからな。よし、行くか!」


そう言って意気込む2人だったが、ずしんずしんという突然の地響きに足を止める。


「な、何だ?」


驚く2人を尻目に、女性は地響きの震源地を見てにっこり笑う。


「あ、来た」


男たちも遅れて地響きの方を見ると、そこには巨大なゴブリンキングの姿があった。


「遅いよ、ゴロタ」


ゴブリンキングは大きな椅子に腰掛ける。そうして2人の男をギロリとひと睨み。


慌てて走って逃げ出す2人であった。


「と、とんでもねぇ彼氏がいるじゃないかよ!」


「あ、あれって準決勝のゴブリンキングじゃないか!?」


「そ、そうだ!って事はあのめちゃくちゃ美人って……」


「あ、ああ」


「「SSランクのエマだ!!!!??」」

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