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ショートショート5月~

いつのまにやら諸悪の根元

作者: たかさば
掲載日:2020/05/13

おかしい。


おかしいぞ。



いわゆるチートを引っさげてこの世界に舞い降りた俺。



何も知らない、村人たちに、知識を与え。


何も知らない、村人たちを、助け。


何も知らない、村人たちと、暮らしてきた。



村人たちの、村は栄えて、国となった。


国の王に、いつの間にか抜擢された。


王なんて、柄じゃない。


俺はただ、村人たちの、喜ぶ顔が見たかっただけだ。



俺は、国を出て、何も知らない村人たちがいる村を探した。



俺はまた、何も知らない、村人たちに、知識を与え。


俺はまた、何も知らない、村人たちを、助け。


俺はまた、何も知らない、村人たちと、暮らした。



またしても、村人たちの、村は栄えて、国となった。


またしても、国の王に、いつの間にか抜擢された。


王なんて、柄じゃない。


俺はただ、村人たちの、喜ぶ顔が見たかっただけだ。



俺はまた、国を出て、何も知らない村人たちがいる村を探した。



そんなことを何度か繰り返して、新たな村を探しに出たとき。


いきなり後ろから、攻撃された。


突き刺さる、長剣。


噴出す、俺の、赤い、血。



俺のチートは、俺を生かした。



血を吐きながら、長剣を刺したやつを、睨みつける。



「魔王め!! この勇者が!! お前を! 討つ!!!」



「はあ?!」



俺、魔王なの?


しらねーし!!!



ぶち切れた俺は、思わずデコピンでそいつを追い払った。



あ。



びぶぅしゃっ!!!!!



頭が破裂した。


しまった。


俺チート持ちだったわ、ごめん。



吹っ飛んだ頭はもう再生できない。


仕方がないので、首なし騎士にして、復活させた。


そいつに色々聞いてみると。



各地で村を繁栄させる魔王がいる。


魔王は恐ろしい力を持っている。


繁栄させた村同士を戦わせて、世界を破滅に持っていこうとしている。


魔王がいたら人々は安心して眠れない。


魔王を倒そうという勇者はいないのか。


魔王の魔の手から人間の自由を奪い返そう。



はあああああああああああああ?!



何でそんな話になった。


何でそんな話にした。


何で俺いきなり嫌われてんの。


何で俺殺されなきゃいけないの。


なんで、なんで、なんで、なんで!!!



良かれと思って与えた知識が、悪い思考を生み出した。


良かれと思って与えた知識は、自分がもたない力を持つものに対する恐怖を与えた。


良かれと思って与えた知識で、知識を与えた俺を討とうと躍起になった。




マジ勘弁して下さい・・・。



俺は、ただ。


孤独だった人生を送ったあの記憶を。


ここで癒したかった、ただそれだけだったのに。




俺はチートで、城を作って、自称勇者を毎日、迎える。


話し合いを、まず試みる。


誰も、聞いてなど、くれない。



たくさんの人々の笑顔を見てきた俺は、チートを甘く見ていた。


みんなで笑って、みんなで繁栄していきたいと願っていたのに。


俺一人だけが持つ、チートが、万人の恐怖の対象となってしまった。



話を聞かない、勇者たち。


飛び掛ってくるので、そのたびに、デコピンで応酬した。


俺ただ一人が座る、玉座の前に、大きな池が、できてゆく。


大きな血だまりの池が、できてゆく。


首なし騎士は、増えるばかり。



城の周りを、首なし騎士が守るようになり、俺の玉座の前の血だまりの池が、ぶくぶくと沸き立つようになった。



もう、これでは誰がどう見ても、俺が魔王じゃないか。



俺、魔王なの?!



俺やだよ!!!



人を勝手に魔王にするとか!!



マジホント勘弁してくれよおおおおおお!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] ……かわいそう。
[良い点] ですよねー。チートで干渉したらそうなるわ。 [気になる点] やっぱり畑耕してスローライフするのが一番なんですよw [一言] もう全人類を首なし騎士にするしかない!(アオサ感)
2020/05/13 21:14 退会済み
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