表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
702/719

武士が餅をついてきたと言うので

 昨日帰宅したら、袋に入った餅がテーブルの上に置かれてあった。


「某がついた餅である」


 武士のほうを見ると、ドヤ顔をしていた。

 そう、お前がついたお餅なの……。で、今度はどんなイベントに巻き込まれたの?


「たまたま通りがかった長屋の前で餅つきをしておったので、すわやと飛び込んだのだ」


 お前古いアパートを指して長屋って言うのそろそろやめような。へー、そんなことしてるとこあったんだ。まだ11月なのに。


「聞けば、1月に向けて手入れするつもりで出したら、後に引けんなったと言うておった」


 どんな手入れしてたら後に引けなくなって餅つき大会が始まるんだよ。


「ざっと10人以上おった」


 結構いるじゃねぇか。


「意外と皆餅をつきたがるのだ。おさなごも臼を持ち上げておったぞ」


 臼を!?


「杵であった」


 よかった! すげぇ力自慢が出てきたかと思った!


「そういうわけでたんと食うがよい」


 お米の値段も洒落にならなくなってきたってのにありがたい話だな。でも……。


「いかがした」


 餅、一個しかないように見えるんだが。


「某が二つ食べたからな」


 それでも三個じゃねぇか。


「この世はせちがらいのだ」


 まあそれでもタダで恵んでくれるだけありがたいな。


「否、参加料として三百円支払った」


 金取られてんのかよ。手入れついでの割に商魂たくましいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ