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先輩も後輩もあらしません!

 俺はまた夢を見た。

 しかし、今度は真っ暗だ。

 目を開けても何も見えない。

 ただ、5人の女の子たちの声だけが聞こえてくるのみだった。

「ちょっと! ライム先輩! 聞いてくださいワン! さっきこの人! 自分たちをものすごいエロい目で見てたんですワン!」

「ヌイちゃん……年頃の男の子ってそんなもんだよ!」

「って、先輩、幼女ですにゃぁ~! なんでそんなこと知ってるんですかにゃぁ~ ミーニャ怖いにゃあ~」

「だから、ヒイロは大丈夫だって!」

「ウルル……怖いですぅ! 怖いですぅ! 怖いですぅ!」

「いや……アンタの怒った時の赤い目のほうが怖いから……」

「ライムちゃん……そんなひどいですぅ!」

「アチキは、この人信じれると思うでアリンスよ!」

「ペンコ! お前は花魁か!」

「アチキは元からこんな感じどすけど……ライムはん……何か問題アリンスか?」

「もういいわよ! まぁ、これだけ搾り取れば、アンタたちも人型維持できるんじゃない? どう、私に感謝しなさいよ! 感謝!」

「って、ライム先輩が一番、魔法の液なめてたじゃないですかワン!」

「いいのよ! 私とヒイロの仲なんだから!」

「なんですかにゃ~ん? その意味深な言い方は? なんだか気になるにゃぁ~」

「私とヒイロは、深い絆で結ばれているの! ヒイロのものは私のもの! 私のものは私のもの! 分かった!」

「ウルルには……全然分からないですぅ……」

「要は、ヒイロによってテイムされたアンタたちは、私のしもべってことよ!」

「そうは言いはりますが、ライムはん、アンタはんもアチキらと同じく、テイムされている身の上と違うんでアリンスか?」

「うっ!……ペンコ、細かいわね……確かに、テイムされているけど、私がセンターなのよ!」

「意味が分からんワン!」

「まぁ、いいであらしませんか。この殿方によって、私たちは命を救われた。これは紛れもない事実でアリンス。アチキはこの人にゾッコンですわ!」

「ちょっと待った! しもべの分際でゾッコンはいらん! ゾッコンは!」

「ライムはん……何をおっしゃっていらっしゃいますの。恋には先輩も後輩も関係あらしません。だれが、真剣に殿方を愛せるかで決まるのと違うんでアリンスか?」

「うっ……」

「ライムはん、もしかしてヒイロはんのこと、そこまで愛してないんとあらしませんの?」

「そんなことないわよ! 私とヒイロは深い仲なのよ!」

「それ、ライムはんが、自分で勝手に思うとるだけでアリンスよね。ヒイロはんの気持ち聞いたことありますの?」

「うっ……ないです……」

「なら、アチキらと一緒でアリンスな。アチキが人型になれば、どうどうとヒイロはん狙わせていただきますよって、そこんとこ! 夜露死苦!」

「あっ! それなら自分も参加するワン! 自分もヒイロっち狙わせてもらうワン!  夜露死苦!」

「ちょっと待つにゃぁ~! 面白そうだからミーニャも参加するにゃぁ~! ミーニャもヒイロに可愛がってもらうにゃぁ~! ということ夜露死苦にゃぁ~!」

「あっ……あのぅ……あのぅ……あのぅ……ウルルも参加してもいいでしょうか……ウルルもヒイロさんを狙ってもいいでしょうか……夜露死苦ですぅ……」

「ちょっと! あんたたち! 何勝手なこと言ってんのよ! ヒイロは私のものだって!」

「ライム先輩と自分たちは同じテイム仲間だワン!」

「そんな事、関係ないにゃぁ~」

「そうですぅ……そうですぅ……」

「分かったわ! その勝負受けてやるわ! あとで吠えずらかいてもしらないわよ!」

 そういい終わったかと思うと、俺の下半身が、ものすごい力で掴まれた。

 ギヒッ!

 目の前が真っ暗な俺は、暗黒の空間の中でカエルがつぶれたような悲鳴を上げた。

「ライム先輩ずるいワン!」

「ミーニャにもよこすにゃ~ン!」

「アチキにもわけてほしいでアリンス」

「ゴラァ! どけや! それはウルルのもんや! ゴラァ!」

「やめてぇぇぇぇぇぇぇ」

 そして、またもや俺は、下半身がぬるっとした感触に包まれたかと思うと、意識を失っていた。


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