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『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』映像が綺麗すぎて逆に嘘くさい……と思ったら最後にしっかり辻褄を合わせてきた映画!

※最重要ネタバレなし

 インドの青年が太平洋沖で遭難。

 動物園のトラと一緒に漂流し、一人と一匹でメキシコに流れ着くまでの映画。

 主な場面は回想として描写されるので、主人公が助かることはわかりきっているんだけど、トラとどうやって共存していったのかが気になって見てしまった。

 全編美しい映像という前情報だけ持っていたので、それ目当てで見たものの……海の場面が大半で、普通のテレビ画面でもだいぶ船酔いする。これは逆に大画面で見なくてよかったw


 ただ、全編にわたってアドベンチャーしつつも妙に宗教臭い。

 主人公の青年パイが、イスラム・ヒンドゥー・キリストの三つを同時に深く信仰している描写も、映画としてくどくど描くのは不自然だなあと薄々思っていました。

 決定的に気づいたのは、難破した船の名前が日本船ツィムツーム号だったから。

 他の日本語はそこまで間違っていなかったのに、なぜこんなひどい名前をつけてしまったんだ……と思って調べてみたら、宗教に興味がない(と思われている)日本人が遠回しにディスられているらしくて笑えましたw

 確かに宗教観の薄い日本船は沈没し、逆にたくさんの宗教を信じていた青年は生還というエンディング。

 日本人に宗教観念がないわけじゃないんだけれど、外国人に説明するのは難しい!

 銅の仏像を溶かして売り飛ばすとか、神社の屋根の銅板を盗むと聞けば、窃盗と同時に罰当たりという言葉が思い浮かぶし、道祖神を蹴り倒すと祟られるのは怪談あるあるなのに。


 それにしても前評判どおり、この映画は遭難してからの画面が綺麗!

 ウユニ塩湖みたいに反射した海面や、夜光虫で輝く夜の海から飛び出してくるシロナガスクジラなど、正直綺麗すぎてCG臭さが抜けないファンタジー感すらある。

 これは夢オチ? それとも走馬灯? と思って見ていたら、意外とそのまま続いていくことが何回も……。

 こういうサバイバルものに不要なファンタジー要素入れるのはどうかなと思いつつ見ていたら、最後にとんでもないネタばらししてきた!

 そうか、それで嘘くさい要素満載のファンタジーだったのか、と納得するラストになっていました。

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