旗艦級機動戦艦ホームシティ編……地獄四丁目の田中さん・不意打ちですが家賃徴収にきましたよ
こんばんわ、楽しんでもらえましたら嬉しいです。
皆様、地獄と言えば何を思い浮かべなますか?
えっ、師走の借金取りに学校のテスト週間? 会社の会議ですって!?
まだまだあましです! ここはお裁縫に重宝しそうな針山に鉄分たっぷりそうな血の池……とても気温が高くて暑いし、腐乱死体がゴロゴロしていて臭いし、恐ろしく食欲とエロに飢えている亡者にお尻スナイパーのゲイおにぃ……だけなら聞いたことがありました。
超ハイテク機能満載の亡者型機動兵器に宇宙までとんでいけそうな空中戦艦! 羅漢は変身ロボットみたいだったですよーっ!
この場所が、昔、シルクとお寺の軒下で読んだエロ漫画『天国と地獄~団地妻の危険なお昼盛り~』の主人公よりも地獄であることは間違いないです……そんな地獄なのにクーラー完備の快適な環境(旗艦級機動戦艦ホームシティ)の艦内から眼下を見下ろしている、こんばんは僕です。
ちょっとした観光気分です。
さて、先ほどの出来事なのですが。
『家賃徴収? 乳垂れろ星人はお仕事で来ていたミュンか? 良くわからないミュンが地獄の守備部隊からとっとと逃げるついでに手伝ってやるミュン! お前変態ぽいからって超絶に感謝しすぎてお尻からエリマキトカゲを出す必要はないミュン!』などのお言葉に甘えた結果。
あっと言う間に飛んできました……ここは土偶神アラハ先輩のお手紙(指示書)に記してあった地獄の四丁目の106号室の田中さんの部屋があるはずの荒れ果てた荒野。
木造築100年といった由緒正しき貧乏で質素な掘っ立て小屋が一件ほどポツリと見えますよーっ。
掘っ立て小屋の裏、人影っぽいものがこちら(ホームシティ)を見上げていましたが……『ご挨拶したやるミュン!』とキララが言い放った刹那……いきなりまばゆい光が大地に降臨したぞーっ!?
――『旗艦級機動戦艦ホームシティ』リビング風食堂ブリッジにて――
「乳垂れろ星人、安心しろミュン! ヒヨコンまんじゅうみたいな丸い奴に先制攻撃してやったミュン! もう、私は命の恩人と崇め奉っても良いミュン! 納豆についているダシとカラシのハーモニーぐらい感謝して有り金全部置いていけミュン!」
どうなっとるねーん! そりゃ一瞬やったよ、そりゃもう、病院の看護婦さんが「少しチクっちするけど痛くないから」と言って注射針を刺すスピードぐらい一瞬でしたよ。
眼下の荒れ果てた景観を光彩陸離の眩い光が世界を包みまくって痛いほどの光散が収まると……およよーっ! 掘っ立て小屋が木っ端微塵にふきとんでいますよーっ!
「うぁぁぁぁ、た、田中さーん! 目を見開いたまま水に浮かんでいるじゃないですかーっ! 生きていますかーっ!?」
「こんなところで叫んでも聞こえないミュン! あいつ水泳選手かクラゲぽいミュン? たかだか光子レーザーを一発くらったぐらいで死にかけるなんて、地上に上がったタコやイカの足や六十代の男性のピーぐらい立たないレベルミュン! 根性がなっとらんミュン!」
「プププッ、笑いが止まらんでおじゃる! こんな一方的に残虐で……豪快すぎる家賃徴収は初めてでおじゃる……こんな馬鹿デカイ戦艦の無慈悲な一撃を頭の上から無防備な不意打ちで喰らったら普通は魂ごと消滅しているでおじゃるな」
もうどうにもとまらないといった具合で「プププーッ」と声を出してニヤニヤと笑った口元に手を当てて上品そうに隠す極丸。
キラリンと瞳を輝かせたキララが『どすこい三昧!飼い』と描かれたТシャツの貧弱な胸を突き出しながら頬っぺたをプクリと膨らませて、ターゲット極丸にビシッと指差して睨みつける。
「むむむーっ、このエロチックサソリモーホー(極丸)は口がすぎるミュン! せっかくとびっきり優秀な美少女アンドロイド・キララ様がへっぽこ乳垂れすけこまし(リン)の貞操を奪ったやつの陰険ちんちんパニック復讐カツアゲ編序章の巻を手伝ってやっただけミュン!」
「キララさん、意味不明すぎるうえにお下品すぎますっ! それにカツアゲじゃないですよ! アラハ先輩から仰せつかったたんぽぽ荘の家賃徴収なのです」
「はうぅぅ、今日子はおもうのですがぁぁ……何もかも消滅した雰囲気なのですぅぅ。これではぁぁ、今日子と極丸さまぁの愛の巣にするのに乗っ取ろうと思っていた掘っ立て小屋が吹っ飛んだのですぅぅ……もう、野外プレイしかできないのですぅぅ、ポッ!」
「何、顔をミートソースみたいに真っ赤に染めているでおじゃるか? そんなに真っ赤になりたいのならカマドで湯を沸かして茹で上げてやるでおじゃるよ」
「うへへぇぇ、極丸さまぁは熱湯プレイが好きのムラムラド変態サドステックエッチ欲情ボーイなのですぅぅ。今日子の尻尾の付け根が見たいからって裸にひん剥くつもりなのですねぇぇ……シャワー室で待っているのでどんとこいなのですぅぅ」
九尾キツネの今日子は機嫌よく尻尾をフリフリすると、小ちゃめのファンシーな鞄からこれまたファンシーすぎるピンク色のハンカチを取り出し、力いっぱいプンプン振り回しながら極丸さんに恋心をアピールしてお風呂がある廊下の奥へと消えていった。
「僕が田中さんを助けに行くついでに家賃を徴収してくるので下におろしてください!」
「世紀末の悪役みたいな奴ミュン! 虫の息の奴から金銭を巻き上げるなんて水戸納豆の黄門さんもびっくりミュン、お前、意外と悪代官より酷い奴ミュン!」
心配顔をする僕になかなか会話が噛み合わないキララさんはクーラーよりも冷え込むジト目を向けてくるのでありました。
いかがでしたか?
楽しんでいただけましたら幸せます。
地獄編・ホームシティ編もそろそろ終盤戦になります。
本作を読んでいただき、少しでもクスッと笑っていただけましたら嬉しいです。




