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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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雪も解けるくらい

雪が降ってから一夜。青空が広がっているが雪は積もったままだ。とても寒い、死ぬ。先生はいつも通りに出勤するらしい。私もいつも通りに通学しなければいけない。制服だけでこの寒さをしのげるわけがないだろう、と文句を垂らしながら準備を進める。

「なんで普通に学校あるんですか。」

「私に言われても困るな。気持ちは分かるよ、私だって行きたくない。」

こんなに寒くて雪にも慣れていないのになんでいつも通りなんだろう。私たち以外にもそう思っている人はたくさん居るだろうしもうボイコットしようぜ。しないけど、できないけど。昨日の夜と今日の朝のテンションの差を感じる。昨日のテンションが100だとしたら今は0。やる気スイッチもオフだ。

「学校行く前に雪だるまの続きでもしたら?大きくしたほうが解けにくいでしょ。」

「綾音様も一緒にしましょう。」

そう誘ってみたが断られた。先生は雪遊び嫌いなのかな、寒いのが嫌いなだけかな。私も寒いのは得意ではないが別に苦手でもない。暑いほうが嫌だ。先生を見送って雪だるまを成長させる。流石に雪が冷たすぎて手袋をはめてちゃんと上着を着た。なんで昨日は防寒具なしで作っていたんだろう、頭おかしすぎるんじゃないか。転がしてペタペタくっつけてを繰り返すと少し大きくなった。もういい時間だしこれで完成ということで。

午後にはもう雪が解けていた。つまらないなと思いながらよかったと思いながら帰る。気を付けて歩かないとツルッと滑ってしまいそうで怖い。なにせ私はよく転けるのでね、気を付けても結局転けることのほうが多い。

「あー、寒い。雪解けたね、雪の上歩いただけで終わっちゃった。」

「一緒に作ればよかったのに。今日もお鍋ですから。」

またこいつお鍋ばっかり食べさせていると思いましたか?やっぱりそう思うよね。味付けは変えているのだけどやっぱり駄目でしょうか。そのうち違う料理もちゃんと作ります、いつか必ず。

「雪だるままだ居るの?」

「まだ居ますよ。ちょっと小さくなった気がしますが。」

帰ってきたら少し小さくなっていた雪だるま。名前でもつけるかとも思ったけど情が湧いてしまうといけないからやめた。解けたら悲しいからね。

「なんかいいな、叶に作ってもらえて。」

えーなに急に。先生が一番大好きで大切で愛してるよ、大丈夫だよ。雪だるまが解けてしまうくらいには熱い愛情を持っている自信がある。

「綾音様が雪だるま作っていたら多分私も同じこと言ってます。」

「なにそれ、作ればよかったかな。」

先生がかわいすぎて心臓が止まりそう。止まるどころか鼓動が早くなりすぎている。このあとついお菓子をあげてしまったのは内緒。かわいすぎてなにかあげたくなってしまった。先生が一番大好きだからね、ずっと一緒に居ようね。

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