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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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学校消えてよ

冬休みって短すぎると思うんですよ、もうちょっと長くてもいいと思うんです。と思っても時間は過ぎていく。なにもせずに過ぎていく時間が巻き戻ってくれることを願う。時が止まってくれるわけもなく、どんどん時間が過ぎていってしまう。時計が止まってもそれはただの電池切れ。時が止まったわけではない。止まるわけがない。

「冬休みもっと長くてもいいじゃないですか。」

「そうだけどまだ休みなんだから気落ちしないで。」

先生の優しさが身に沁みる。ボロボロだった心は少しずつ修復中だ。今年の目標は薬も切るのもやめるというもの。最後にしたのはいつだっただろうか、覚えていないくらいにはしていないのでこのままやめられたらいいな。バレたときの緊張感とかもう感じたくない。先生にとっても自分にとっても余計に心が疲れるだけだからもうやらない。神には誓えないし先生にも誓えない目標ですが。自分なりに頑張ってみようと思う。

「卒業したら恋人になってくれるんですよね?」

「多分なってあげるかもしれない。」

何だそりゃ。なってくれるんだよね、なってくれるよね。恋人になってほしい、と押し付けるのはよくないし嫌われたくないので押し付けない。でもなってくれるよね?今日もつけている指輪も何だったのか分からなくなるよ。現在2年生、きっと気付いたら3年生。あと1年で高校生活が終わるということに驚きを隠せない。大学受験…気持ちがブルーになっていく。でも全てをちゃんとこなせば褒めてはもらえるだろう。そう思って頑張るしかない。

「卒業する前に友達作ったらいいのに。」

「絶対無理なこと言わないでください。」

どういうつもりでそんなことを言うんだ。義務教育も高校も友達居ないのに今更できるわけがない。作り方も分からないし作りたくもない。先生が居なかったら今も独りなんだよ?と自分に言い聞かせても作りたくなることはない。友達を作るくらいなら一生ぼっちで居るほうがマシだと思ってしまう。ぼっちの極み。一人で居ないと何かが壊れてしまいそうだしこれ以上裏切られたくも傷付けられたくもない。

「仕事行きたくないな。」

「学校消えてほしいです。」

仕事行きたくないよねそうだよねずっと一緒に居ようよ。そんなことができるわけがないことくらい分かっている。分かっているから思っている。学校が消えないことも知っている。でも消えてほしいよね、ずっと休みでいいのに。こんなことばかり言っていて将来働けるのか不安だ。

「何もしなかったね、この冬休み。」

「ですね。」

先生は毎日ちゃんと運動していて偉すぎて人間国宝に認定してもらいたいくらいだ。私?私はたくさん寝てたくさん寝ました。気付いたら寝ていた。冬眠する才能があるかもしれない。そんな冬休みももうすぐ終わりだ、嫌だな。

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