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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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やっぱり先生が居ないと

…?あぁ、先生が帰ってくる前に掃除しないと。機械的に学校に行って帰ってそのまま床に転がっていた。お留守番2日目、明日先生が帰ってくる。多分。勝手に住み着いている人間が人様の家を散らかすわけにもいかない、別に汚してないけど。ただただどんよりして真っ暗な空気が流れている。動く気にもなれない。明日、先生が帰ってくる前に掃除しよう。

と思っていたのにその明日が今日になって掃除をする気にもなれなくて先生が帰ってきた。なにもしなかった、できなかった2日間だったな。

「ただいま、って空気悪、換気してないでしょう。」

「おかえりなさい。ずっと閉め切ってました。」

2日間閉め切っていた部屋は空気がどんよりしている。先生が窓を開け放って涼しい風が入ってきた。空気も循環させないと駄目らしい。

「ずっと食べてないね?ずっと転がってるだけの映像見るのも飽きるんだけど。」

「前みたいにゴミ屋敷にはしてないですから、大丈夫です。」

なにも大丈夫じゃないだろという眼差しを受けながら椅子に座らせられる。なに、お説教でも始まるのでしょうか。先生になら怒られたい。先生以外に怒られたくない。

「何度も言ってるけどちゃんと食べないと死ぬよ。2日間くらいなら大丈夫、とか無責任なことばっかり言ってないで一人でもなにか食べなさい。」

ごもっともです。食べないから身長伸びないんだよなー、今更手遅れだけど。一人でも何でもいいから食べるべきなのも分かっている。カップ麺でもいい、ゼリー飲料でもいい。何でもいいから口にいれるべきだと先生に何度言われたか分からない。言い続けられても実行できない早瀬です、馬鹿にもほどがある。

「とりあえずご飯作りますね。」

逃げました。先生が言いたいことはよく分かっているので逃げます。冷蔵庫を開けてみると見事にからっぽ。冷凍庫の中身はぎっしり詰められている。冷凍された野菜とお肉炒めましょうか、やる気もあまりないし。

「一人前の量だけ作るっておかしい。」

「…分量間違えました。」

隣で見張られていて気まずい。いつも見てこないのに、なんで今日はこんなにひっついてくるんだ。背中にもたれるのやめてくれ、動きにくい。でも幸せだからいい。

「綾音様、お疲れ様でした。よくがんばりましたね。」

「えらすぎる、ね?」

「偉すぎます」

よしよししながら料理をするのは難易度が高い。でも先生が子どもみたいでかわいくてよしよししないと私の心が持たない。かわいいと叫びたいくらいだ。

「あ、焦げちゃった。」

「食べられるからいいじゃん。」

焦げてしまいましたがいいでしょう、大丈夫。食べられるよきっと。

「焦げてないところを食べてください。」

「叶のほうを焦げたやつばっかりにするのは違う。」

焦げた部分は苦いけど食べれないことはない。これはこれでいい。先生と久しぶりに食べたご飯は美味しい。2日間食べてなかったっていうのもあるけど。先生が家に居たらやっぱり明るくなる。太陽より眩しいくらい。先生、おかえり!お疲れ様。大好きだよ。

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