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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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真っ暗なお留守番

…。え?あぁ、先生居ないのでお留守番してるんですよ、はい。先生は仕事です、多分。また今年も2日間お留守番ですって、寂しいですね。真っ暗な部屋は心まで真っ暗にしてくる。寂しい寂しい寂しい、なんてLINEしてみろ、メンヘラ過ぎて嫌われる。もう嫌われてるか、そうか。先生が居ないだけでメンタル死んじゃう。先生の存在がでかすぎる。綾音様って言っても返事は返ってこない。返ってきたら怖いね、幽霊だ。ご飯も3食抜いてしまっているし学校こそ行ったけど家事もなにもしていない。ネットも見ていない、本も読めない。勉強もしていない。えぇ、廃人まっしぐら?これはどうするべきなんだろう。先生が居ないと生きていけないよ、先生が居ないと死んじゃうよ。なにもできないよ。お仕事頑張っているのにLINEするのも気が引ける。ペットカメラがこちらを向いている、暗闇を映しているのかな。先生が確認したら多分LINEが飛んでくるだろう。生存確認とか。生きてるよー、大丈夫だよ。切ってもいないし薬を飲んでもいない。もうやめたんだ、やめたいんだ。先生を傷つけるから。

「生きてる?」

ほら、LINEが飛んできた。生きてる?って聞かれて死んでるって答えても返信した時点で生きているのがバレる。というより生きているのは先生も分かっているはずだ。なんか親指を立てているスタンプを送っておく。

「また食べてないでしょ、電気くらいつけて。」

この返信はどうするべきかな。既読スルーしたら怒られるだろうし。首を振っているスタンプでも送っておこう。さっきからスタンプしか送っていないが考える頭が今ないのでスタンプしか送れない。文字を打つことさえ面倒。先生に心配をかけるわけにもいかない、でも全てが面倒。生きていることさえ億劫。

「死にかけだね?」

そうだね。先生が居ないと死んじゃう。この返信はどうしましょう。シンキングタイム。

「あやねさまがいないとしにそう。」

変換すらできない自分が怖い。全てひらがなで送りつける。先生が居ないと私はどうにも生きられない。先生が居ないとなにもできない。

「とりあえずなにか食べて寝な。」

暗闇で光るスマホの文字も段々見えなくなってきて既読をつけただけの状態で寝た。床で寝ている、夏場と違ってひんやりする。あー、先生が居ないと駄目だなやっぱり。先生が帰ってきたらまたゴミ屋敷になってたりして。それは駄目だな、先生の家だから。ちゃんとしておかないと。2日間くらいどうにかなるだろう。食べなくても床で寝ていてもなにもしなければ散らかることもない。先生、おやすみなさい。いい夢見てね。

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