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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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かき氷

また先生に閲覧履歴見られているのだけど変なもの見てないよ、本当に最近見てない。

「料理ばっかだった、なにもなかった。」

「なんでがっかりしてるんですか。変なもの見てなくて安心したとかではないんですね。」

なんかがっかりされてて変な気分。薬も買ってないし変なものも見てないしSNS徘徊してもなにも投稿しない人間だからなにもない。見て損したでも言いたそうな目をする先生を見ながらかき氷のリベンジをしている。なかなか力がいるのね、これ。氷出てこなくて駄目だ、あきらめ。

「叶よわよわだね。そんなんじゃ生きていけないよ。」

「綾音様が居たら生きていけます、大丈夫です。」

先生が居たら生きていける。先生が居なかったら死ぬ。そういう人間なんですよ先生、分かっているよね。今更知らないとか言われても困るだけだし。

「おー、すごい。氷削られていく。」

「こんなものかな、あんまり食べたら冷えすぎるから控えめに。」

お互いの健康を気遣いながら生きているので塩分だったり脂質だったりとか控えめにしたりしていなかったり。健康第一とか言いながらお菓子は食べますけどね。意味ない気もするけど気にしたら負けだ。

用意したシロップはいちごです、王道なのかな。かき氷も食べたことがないのでどういうものかいまいち分かっていない。

「綾音様流石ですね、私には作れなかったのに。」

「得意料理にしようかな。」

得意料理はかき氷です!ノーコメントでお願いします…かき氷って料理なんでしょうか、カップ麺とかもそうだけどこれは料理に入る?入らない?入るよね、先生の得意料理この2つですから。

シロップをかけていざ実食です。いただきます!

「冷た、美味しいです。」

「あー、頭がキーンとする。きみはゆっくり食べなさい。」

溶けるからといってどんどん口に放り込んでいった先生は頭を抱えている。かわいいね、そういうところが好きだよ。先生のほうが子どもみたいだ。

「かき氷のシロップって本当に全部同じ味なんですか?」

「え、同じ味なの?」

メーカーによっても値段によっても違うのだろうが全部同じ味だ、と言われるとなんか夢がなくなる気がする。この話題は強制終了だ。初めてのかき氷は美味しかった。普通に氷を食べるより美味しい。

「また氷作っておかないと。」

「製氷機壊れてて悪いね、製氷皿で我慢して。」

先生の家の製氷機は使えないらしいので製氷皿で作っているのだが…製氷機、私は使ったことがないから全然困らない。製氷皿で作るのが当たり前ではないんだな。自分の当たり前は誰かにとっては当たり前ではない。

「ゆっくり過ごすのもいいものだな。」

「一緒にお昼寝しますか。」

今日は珍しく先生とゆっくり過ごせる日。お昼寝に誘ったら珍しくのってくれたので今から寝ます。珍しいこともあるものだ。先生と寝るの、好き。先生と寝ていたら落ち着く、悪夢も見ない、とりあえず心臓がうるさい。ということでおやすみなさい、また夜にでも。

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