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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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棒人間

未だにデートの余韻を引きずっている。知らない間に梅雨入りしていて雨が続くから洗濯物部屋干しするしかなくなってる日常です。梅雨入りする前に行ってよかった。雨の日は暇でもないけど暇だから棒人間書いたりしている。意味もなく棒人間。気がおかしくなったわけではない。

「なんで棒人間書いてるの?」

「なんででしょう。」

「物語にでもしたら?私が読んであげるよ。」

なんという提案でしょうか、私は物語など書いたことがない。書こうとも思ったことがない。本当につまらないものが出来上がる可能性が非常に高いけど。先生が読んでくれるなら書いてみよう。

「はい、できました。」

「…代弁させずに口で言いなさい。」

あやねさまだいすきです!って棒人間に言わせたのに駄目だったらしい。ちゃんと言ってほしかったんだね、先生はかわいいね。

「綾音様大好きです!」

「やっぱり言わなくてよかった。」

なんで?!せっかく言ったのに。先生大好きです!脳内ではいつも叫んでますよ!先生LOVE!

「これでどうですか。」

「いや死んでるじゃん。」

棒人間はおさんぽをしていると木になっているりんごを見つけた。棒人間は木によじ登って必死に手を伸ばしてりんごを取った。そのりんごを食べてみた。死んだ。

やっぱり駄目だったか。死なせたら駄目?難しいな。

「ではこれで。」

「寝過ぎじゃない?よく生きてるね。」

棒人間はおさんぽに疲れて家に帰ると玄関で半年眠っていた。起きると季節が変わりすぎていて意味不明になった。

我ながら変な物語すぎるのでやめようと思いますありがとうございました!

「無理です。」

「叶には無理だったか。」

お酒を片手に私が書いた紙をひらひらさせる先生。最近はよくお酒を目の前で飲まれるようになった。飲んだら駄目だから飲まないよいい子だから。

「お酒って美味しいですか?」

「美味しいんじゃない。」

…美味しい、のかな?はたちまで残り4年くらい。お酒の味を知るのはそう遠くもない未来だ。生きてるかは知らないけど。4年後の自分なんて想像できるか?私はできない。先生との関係がどうなっているのかも想像できない、したくない。

「雨よく降ってますね、洗濯物を外干しできる日はいつ来るんでしょう。」

「叶の服が部屋にあるから別に悪くないけどね。」

「どういう意味ですか。」

乾いてるのか乾いていないのかもよく分からない洗濯物。私の服が部屋にあったらいいことでもあるのだろうか。絶対ないけど。

「また缶床に放置してる、ちゃんと捨ててください。」

「缶蹴りでもしておきなよ。」

一人で缶蹴りなんてしても楽しくないです。ちゃんとゴミは分別して捨ててください。先生は疲れてるから仕方ないけど!たまにはやってくれてもいいんだよ。

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