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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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お鍋

なんか急に冬が来て寒くて死にそう。

「寒いです。」

「寒いね。」

寒いしか言えないくらいに寒い。暖房つけるにはまだ早い気もするし電気代高いし。毛布にくるまってゴロゴロするしかない。

「晩ごはんお鍋でいいですよね。」

「お鍋率高いね。作ってもらえるだけありがたいけど。」

寒いし動きたくないしお鍋美味しいからお鍋率高め。野菜たくさん食べれるし温まるしいいでしょ。作るの面倒だし。

お鍋を食べながら先生とお話。

「綾音様は夏と冬どっちが好きですか?」

「夏。」

「私は冬ですね。」

先生は寒いの苦手だから夏のほうがいいらしい。私は暑いのも寒いのもどっちも無理だけど冬のほうが好きだ。長袖だからね、ほら隠せるじゃん?腕を露出しなくていいのは助かるんだよね。

「切ったらバレるからね。私と暮らしてるんだから切らなくていいよね?」

「前は勉強した後とかやってましたよ。スッキリするから。今はできないですね残念です。」

冬だからといって切るに切れない。先生が家に居るときにカッターの音を鳴らしてみろ、飛んでくるぞ。もう本当にビビってザクッといった最近の出来事は忘れられない。

「切るの痛くないの?」

「最初はもう痛かったですけど今は別に。」

「感覚死んでるんじゃないの。」

なんか胸を一突きされた気分だ。感覚は確かに死んでいるのかも。実の親に殴られても痛くなかったから。

「さてさて、鍋の〆はなににしますか。」

「うどんとラーメンと雑炊。」

「どれか一つにしましょうね。」

結果選ばれたのはラーメンでしたおめでとう。鍋の〆はどれも美味しいからなにを食べるかすごく悩む。何回もお鍋したら一通りの〆は食べられるんだけど。悩むものは悩む。食べ物で後悔したくないし。

「お鍋っていいね。温まる。」

「ですね、綾音様が居てくれてよかったです。」

「私居ないとなにも食べないのなんでなの?学校も昼ご飯食べてないでしょ。」

なんでって言われると困るな。別にお腹空いても動くの面倒だからいいやってなってひたすら寝たら空腹忘れるし。昔はご飯もお金もないから普通に食べるものなかったし。

「食べることに興味がないからです。」

「そう。食べないと死ぬよ。」

それはそう。食べないと死ぬ。先生と暮らし始めてちゃんと料理をするようになったし一応食べるようになったしまだ精神安定してるし先生が居てくれないと私はどうも生きられないらしい。

「先生が居たら食べますから、それでいいでしょう。」

「一人でもちゃんと食べな。」

一人で食べるご飯なんて美味しくないもん。食べる気にもならないし餓死したほうが自分的にはいい。一人でもちゃんと食べる人偉すぎるね、尊敬。私にはできないから。

「明日もお鍋でいいですか?」

「たまには違うものを。」

今更だけどお鍋を二人で食べれるって最高だよね。…なんか頭熱くなってきたな。鍋の底で冷やすか。

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