表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

170/171

春の蕾

桜の蕾も少しずつ開いてきて、春が来たと思わせてくる。久しぶりにフリスビーでもやろう、となったので公園にレッツゴー。これで何回目になるだろう、あと何回やるんだろう。一向にうまくならない私の運動神経はどうなっているのか。ぽかぽかする青空の下、運動音痴が暴れます。

「相変わらず下手だな。」

「どうせ下手です。」

ご機嫌斜めになる暇もないくらい暴れまわる。下手でも楽しむ気持ちさえあればなんとでもなるのだ。日に照らされる先生かわいい、スポットライト浴びてるみたいにきらきらしてる。かわいいよー!と叫びたいが公園でそんなことを言えば説教間違いなし。心のなかで叫んでおこう。

疲れたらシロツメクサを摘んで花冠を作る。できたら先生にあげよう。木陰に寝転がって半分寝ている先生が愛しい。こっそり写真を撮ってまたコレクションを増やしていく。かわいいな、先生。かっこいいのに話すととてもかわいいなんて、誰でも虜になってしまう。私の先生は誰にも渡さないよ、寄せ付けない。

「綾音様にあげます。」

「おぉ、ありがとう。」

冠を振り回す先生すらかわいい。用途がかなり違うけどまぁいいか、楽しそうだし。久しぶりに作ったけど案外うまくできたと自分で思っている。昔は追い出されたときによく作っていたっけ、懐かしいな。

隣で楽しそうにしている大切な人がしゃぼんだまを飛ばし始めた。ふわふわ飛んで消えていく。儚いものは美しい。

「ポケットなんでも入ってますね。」

「便利でしょ。」

このしゃぼんだまはポケットから出てきました。本当になんでも入っている、びっくりするくらいに。でも洗濯するときに困る。ちゃんと出してくれと頼んでいるんだけどな。たまにボールペンが入りっぱなしだったりする。そんなところもかわいいから好きだよ、先生だからいいよ。

「やったら?」

渡されたしゃぼんだまを吹く…

「不味い。」

「誰が飲めって言った。」

液が口に入るという事故が起きた。不味すぎてうとうとしていた目がぱっちりと開いた。バカにされながら吹き飛ばす。青空が映ってこわれて消えて。なんだか子どもに戻れたようでご機嫌になれる。不味さはまだ残っているけどこれもまた思い出か。

「よし、もう1回やろう。」

いつまでも休憩をしていたかったのに2回戦が始まった。運動音痴と保体の先生の戦いなんて誰が見たいんだ、勝敗なんて始まる前から分かりきっている。別に争っているわけではないけど、遊んでいるだけなんだけど。勝ち負けなんてどうでもいいや。先生に相手してもらって幸せ、それでいい。

夕方になるまで遊んで、これでもかというくらい汗をかいてもう動けない。冷たいフローリングに転がって今日撮った写真を見返す。待ち受けにしておこう、私の天使を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ