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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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ゆっくり

「あけましておめでとうございます。」

「おめでとう。」

毛布の中で迎えた新年。年が明けたからといってなにも変わらない日常。先生と至近距離で迎えられたのはとても光栄なこと。先生の匂い、ずっと嗅いでいたい。いい匂い、好き。頭がおかしくなりそうなくらいに過剰摂取中。こんな調子で今年もいい年にします。去年はいい年でした、信用を失ったり信頼とは無縁になったり色々しましたが。布団の上で毛布に包まっていたからかいつの間にか2人で夢の中へ行ってしまっていた。

「お雑煮でいいですよね?」

「うん。」

8時に起きてゆっくり過ごすお正月。まだ眠い目をこすりながらお餅を焼いて鍋に放り投げる。いい子はゆっくり投入してください。私みたいにお正月から熱っと叫ぶ羽目になります。先生になにしてんだと呆れられるのも悪くないけどね。なので私は行動を改めない。

どのテレビ番組も特番をやっている。適当につけたチャンネルを見るわけでもなくBGMにするでもなく電源を落とした。先生と話してるほうが楽しいし。

「抱負でも決めるか。」

「去年なににしましたっけ。」

抱負なんて明日になればもう忘れている。ちょっと早すぎ?でも決めた直後にはもう忘れているようなもので。去年はなににしたんだろう。全く思い出せない。先生と結婚するにしようかな。そうしよう。先生と幸せになる、先生と一生一緒に居る。抱負ってなんだっけ、こんなのでよかったっけ。多分ダメだよね。まぁいいか、どうせ忘れるんだし。

「正月まで勉強?」

「もう時間がないので。」

タイムリミットは刻一刻と迫ってきている。受験料を無駄にするわけにはいかないので努力するに限る。先生に払ってもらってしまったから受かるしか道はない。バイトしてちゃんと返さないとだ。借金はすぐに返したい。先生に借りたものは倍にして返さないとな。そうしないと私のプライドというかなんというか、なにかが許さない。…そういえばサンタさん来なかったな。

「真面目だね。」

「そうでもないです。」

真面目なふりをしているだけであって中身はポンコツ。それは先生も分かっているだろう。真面目ってなんだろう。よく分からない。周りの人のほうが頑張って勉強してるし努力した分伸びていっている。それに比べて私は。なんて考えると負のループに陥ってしまうので考えるのはやめ。目の前のことだけを考えていればいい。

「お守りでも要る?」

「いえ、自力でなんとかします。」

先生の優しさがお守りですありがとういつも。暖房が一番当たる場所に座る先生がかわいい。勉強もだけど先生にあげる誕生日プレゼントを考えないといけない。どうしようかな、すぐに来るぞ。欲しいものを聞いても意味ないし。完全に筆が止まった、思考も止まった。よし、先生と一緒に温もろう。

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