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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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日が昇るまで

クリスマスの献立を考えている自習の時間。シャーペンをくるくると回せないくらいには不器用なのでもうやめます。ペン回しが上手な人に少し憧れたりする。自分はできないから余計に。ビーフシチューとか作ってみるか、作ったことないけどなんとかなるだろう。カレーと同じ要領でいけるかな、どうかな。完全に集中力が途切れた。もうごはんのことだけ考えていよう、どうせバレないし。

「おー、珍しいもの作ってるじゃん。」

「ルーがなんとかしてくれることを願ってます。」

「大丈夫でしょ。」

先生に肩をぽんぽんされた幸せこれで多分失敗はしないだろう。サンタさんが来ようと来なかろうともうすでに幸せだ。そういえばフランスパン頼んでたけどどうなったでしょうか、なんか違うものを買ってきてくれた気がする。

「パンってこれでよかった?」

「これは食パンですね。パンなのでどうにでもなりますけど。」

間違えたか、としょんぼりする先生がかわいすぎて頭を撫でる。パンはパンだ、特に違いはないと言ったら作ってくれている人に怒られそうだけど先生をなだめるために言ってしまいます、ごめんなさい。許してくださいこのままだと先生が拗ねたままになってしまうので。

食パンを焼いてビーフシチューをお皿に入れて千切っておいたレタスを盛り付けて。毎年メニューが違うけどそのうち定番化したものが出てくることになる。そのうちが来るのかは神様の機嫌次第だ。

「美味しい。」

「元気出ました?いつもよりいい食パン買ってきてくれてよかったです、美味しいです。」

機嫌を取り戻した先生と雑談しながら食べ進める。今日あったこと、愚痴、他愛もない話。こうやって食卓を囲めて話しながら食べられる幸せを噛みしめるクリスマス。いつもありがとう、一緒に居てくれて。

「これあげる。」

「冷え性改善…ですか。」

お前の足は冷たすぎてこっちが凍りそうだ、と冷え性改善グッズをいただきました。これまでにもらった足掛けも毛布もそういうことだ。先生が凍ったら困るので改善に努めます。自分でも冷てえ足だなとかたまに思うので。先生からしたらたまったもんじゃないよねごめんね。

「なにこれほんとに言ってるの。」

「はい!」

先日気付いたら手に紙袋が…という例のニットワンピース。はー、最高いい眺めアドレナリン出すぎてやばい選んで正解だったな。嫌がる先生かわいい恥ずかしいと怒る先生かわいい存在してくれてありがとう。嫌と言いながら脱ごうとはしないで居てくれる優しさに溺れながら写真を撮り続ける。機嫌が悪くなってきたところで終了します。

「お菓子あげるので許してください。あとこれからも着てください。」

「叶も着ろ。」

身ぐるみ剥がされて着せられてしまった。お菓子あげたのに機嫌悪い…ていうか先生の誕生日ももうすぐだよどうしよう。なにあげようまたプレゼントに頭を悩ませないといけない。それよりなんで私はツインテールしてるんですか、いつの間に髪型チェンジさせられたんだ。

「いつまで撮るんですか。」

「日が昇るまで。」

先生にあげたのになんで私が着る羽目になっているのさ、おかしいよ。でも楽しそうだな、いいか。機嫌も治ったようだしこれにて一件落着。…まって、日が昇るまで?

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