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先生、恋人になりませんか?!  作者: 雨宮雨霧


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写真

鯉と戯れるのが日常になりつつある。餌はなにも持っていないしただ見ているだけなのに鯉はひたすら泳いでくれる。君みたいに泳げるようになりたかったよ。叶わぬ願いだ。冬が近付いてきているのか空気が冷たい。急に季節が変わるのはやめてほしい、少しずつ変わっていってもらいたい。先生と過ごせる3回目の冬。またクリスマスのシーズンだ。今年はなにをあげようかな、探さないと。鯉に手を振って教室に戻った。ピリついた空気が気を引き締める。先生に早く会いたい、早く帰りたい。気が引き締まっても考えは引き締まることはなかった。

「ね、見て。」

先生に見せられた1枚の写真。闇落ちしてる中学の頃の自分。なにこれなんでこんな写真が、誰だこんな酷い写真を撮った人は。なんで私を撮った?他の人でいいだろうに。表情死んでるしぼろぼろだし、こんな酷かったのか自分って。改めて見ると酷いしか出てこない。

「懐かしいの出てきたなーって。」

「撮ったの先生ですか?」

「そういうことだね。」

撮ったのは百歩譲っていいとして、なんでまだこんなものを持っているんだ。なんで持っているんだ?ずるい、私3年前以上の先生の写真持ってないよ。卒業アルバムに載ってた写真をスマホに収めたものしかないんですけどどういうことですかおかしいです。ください先生の写真。たくさんください。

「破いて捨てます。」

「ダメです。これは保管しておくから。」

保管しないでくれるか、やめてくれないか。別にいいけどさ、いいんだけど。もうちょっといい写真なかった?こんな自分見たくもないよ。見つけたら破いて捨ててやる。…自分も先生の写真を勝手にアルバムに収めているんですけどね、人のことを言う前に自分を正せっていう話になる。あー、いいもんこれからも増えていくんだ。増やしまくるんだ。

「まだあるって言ったら怒る?」

「怒るっていうか、燃やします。」

まだあるの?一体どこに隠してあるんだ。黒歴史ばっかり先生に握られているのはなんか嫌だな。自分が生きている限り黒歴史を製造してしまうんだけど。見つけたら燃やして捨てるからね、ちゃんと隠しておいてね。いや、出しておくか落としておいてください。すぐに処分するので。

「まだこの絵も持ってるよ。」

「なんでも取っておくのやめてください。」

半年くらい前に先生と描いた変な絵が目の前に置かれる。画力はどこに置いてきたのだろう、持ち合わせていないにしても酷い絵だ。これを見たらピカソもゴッホもびっくり仰天することだろう。自分でも天と地がひっくり返ったくらいにはびっくりできる。こんなくだらないものばっかり取っておくからどんどん物が増えるんだよ、人のことを言える立場ではないが。これ以上黒歴史を生成しないように気を付けます。

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